当たり前なのかもしれませんが、歯は使えば使うほどすり減っていきます。
歯だけが、すり減った分はそのままになります。自然に戻ることはありません。
髪の毛も、爪も生え変わりがあるのに、歯だけが乳歯から一回生え変わったのちは、そのままです。
減る方向にしかいきません。
かみ合わせも変わり続けます。
歯の減り方は、上下の歯が接触している時間に比例する
家族の方や知人の方が夜に歯ぎしりをしている音を聞いたことがありますか?
まさにあの時、歯がすり減っています。
大きな音がしなくても、上と下の歯がこすりあっている時は歯がすり減っていきます。
朝、昼、晩と食事をして上と下の歯が接触して「噛む」という運動をしますが、この3食の間に上と下の歯が合わさっている時間の合計は、研究によると3分弱だそうです。
一方で、夜8時間睡眠するとして、上と下の歯が睡眠中に合わさる時間は15分程度あるということです。
夜にすり減っていくのです。
昼間にくいしばり癖のある方も減っていきます
くいしばりは、いろいろな不快な症状が出てきますが、それよりも、歯が静かにすり減っていくことも知っておく必要があります。
問題は、歯科治療を受けた歯の硬い詰め物やかぶせ物
もしも、何も対策を取らずに、すり減りに任せたらどうなるか?
意外と何も起こらない。
しかし、それは、歯科治療を受けていない場合です。
どこかに、歯科の詰め物やかぶせ物があるとき、特に歯のエナメル質よりも硬い材料が使われている時が問題です。
歯科治療を受けていない歯が、徐々にすり減り続け、かみ合わせはそれに合わせて、低くなっていくのに、硬い詰め物やかぶせ物はすり減ってくれません。
全体としてバランスよく減っていってくれれば、心配しすぎずともそのまま、永久歯を使い続けることができます。
金属、セラミックのかぶせ物のところで、あるいはその対になっている歯(上の前歯なら、その対になっているのは下の前歯ということになります)が高くなってきます。
バランスが崩れてくるのです。
それが、様々な症状を引き起こしていくのです。