むし歯が痛くなるものは、1~2割くらいしかあらへん。
ほとんどの場合は、自覚症状はなく、歯医者か歯科衛生士が発見することが多い。
いままでの経験から、むし歯に痛みを伴ってくる人はかなり少ない。
むし歯が進行していくと痛みが出てくることが多くなる。しかし初期のむし歯は痛くない。
だから、早期にむし歯を発見する意味でも、年に最低1度は歯科医院に行ったほうがいい。
ついでに言うと、口になかにできるガンも痛みがない。ガンの早期発見は大事やな。
まぁ、堀ちえみさんのように、歯医者にも耳鼻科にも言っていたのにもかかわらず3か月もガンを疑わずに見落としたケースもあるので、説得力ないのかもしれん。
確かに、耳鼻科医でも歯科医師でも「ガン」というものを経験したことがない人が圧倒的に多いと思うねんなぁ。
たまたま、自分は歯科医師として口腔がんを診ていたからこういうことをいうのかもしれまへん。
でも、見落としてしまった苦い失敗もあって、歯科医師だからといって、歯だけを見ていたらアカンとの思いでこれを書いています。
他の歯科医師よりもガンの患者さんの口を知っているといっても、いまだに、パッと見ただけで「ガンや!」って分かるわけではありまへん。
もちろん、ガンは初期に発見して、なるべく早く対応すべきものです。
しかし、早期のものは小さいので、これが単なる口内炎なのか、そうでないのか小さいときは分かりません。
しかし、決定的に違うことがありますねん。
それは口内炎は治ります。
せやけど腫瘍は自然に消えていくことはないと考えています。
だから、2週間たっても消えない口内炎ものは、ガンを疑う必要が出てきます。
ガンが恐ろしいのは、デカくなる時はあっという間にデカくなるのです。
日々、歯や歯ぐきの治療をしていますが、処置に入る前にはすべての患者さんの口の粘膜、くちびる、頬、べろ、見える範囲をチェックするようにしてます。
そこで、気になる口内炎っぽいものを診たら、患者さんに手鏡を渡して一緒に共有して、この経過を患者さん自身にチェックしてもらうようにお願いします。
2週間以内にこの口内炎が消えなかったら、もう一回来てほしいとお願いしときます。
ほんで、もし2週間以内に消えない場合で、患者さんのOKがあれば、その口内炎っぽく見える粘膜を切除して病理検査に出します。
それで中の細胞がどんなものか病理医の先生に診断してもらいます。
もちろん、毎回チェックしていれば、2週間以内に治らないからと言って、すべて組織検査するわけではありませんが、、、
開業して初年度で、ガンになる一歩手前の白板症(前がん病変といいます)の方が一名おられました。
その方は3年後に別の部分の粘膜が赤く膨らみ、これを患者さん自身が2週間で消えないことで心配され来られた時には、ガンでした。病理医に診てもらわなくても「いかにも怪しい」ものは、日ごろ注意していれば分かってくるのです。その患者さんも、白板症を経験しているので、粘膜の異変にちゃんと気づく「目」を持っていたのです。
速攻、大学病院を紹介してもらい、耳鼻科で腫瘍を切除してもらい、現在4年あまり経ちましたが元気に通院されています。
つまり、ガンを見つけるためには、患者さんと日ごろから、口の中にも変なもの、やらしいもの、つまり悪性の腫瘍ができることがあるんやで、って話しておくんです。
ほんで、ちょっとでも気になるもんがあったら、患者さんと一緒に診て、お互い共有しあっていくことが大事やとおもいます。
話がむし歯から、ガンの話になってしまったけど、、、
むし歯も痛くないことが多いんやわ。
あくまで、私個人の感覚やけど、、、
むし歯になる原因は諸説あるのですが、早期に発見することがやはり大切です。
しかし、早期なら、ガンと違って、様子を見て、フッ素を塗布して、進行を抑制したり、再石灰化といって、治してしまうこともできます。
せやから、時々歯医者に行って、口を診てもらいなはれ!