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歯痛口臭追放

歯の痛みや口の臭いを気にせず、いつまでもおいしく食事するには次の3つが大切です。

  1. 歯をきれいにしておく:毎日の歯みがき、定期的な歯科医院での歯石除去、歯面清掃。
  2. くいしばりに気を付ける:食事以外の時は、なるべく歯を休ませることが、歯をすり減らしたり、痛みを出したりすることを防ぎます。
  3. 口の乾燥に気を付ける:唾液がしっかり出ていると、むし歯や歯周病の予防になるだけでなく、風邪をひくリスクも低くなります。

この3つのことを気をつければ、さまざまなお口のトラブルは回避できます。では、一つ一つ見ていきましょう。

1.歯をきれいにしておく

歯を掃除することは、すでに今の日本では常識になっています。

毎日のお手入れは忙しくても一日に一回はかならずやりましょう。

毎食後に歯みがきをすることが理想ですが、外食の時はできないでしょう。

そういう時は、家に帰って、寝る前にゆっくり磨いてください。

また、行きつけの歯科医院に少なくとも1年に1度行って、歯石を取ってもらうようにしましょう。

その時に、みがき残しがある個所を歯科衛生士さん、歯科医師に教えてもらって、ブラッシングのテクニックも学びましょう。ブラッシングのテクニックの精度を上げれば、歯石の量も減らせます。

歯科医院はたくさんありますが、できればあちこち行かないで決まったところに行くようにしましょう。

なぜなら、歯周ポケットの深さや歯垢(しこう、デンタルプラークともいう)がどこに残っているか、記録されるので、次に受診したときに前回との比較、評価をしてもらえるからです。

2.くいしばりに気を付ける

人は、頑張るとき、くいしばります。

耐えるとき、くいしばります。

趣味の手芸の時に集中するあまり、くいしばってしまいます。

ゲームに夢中になり、くいしばります。

重いものを持ち上げるとき、くいしばります。

腹立つことを言われ、言い返せないとき、くいしばって耐えます。

明日やるべきことを心配して寝てしまうと、寝ている最中も緊張して噛んでしまう力が大きくなります

くいしばらないように気を付けるとは、

もしかすると、考えのクセも少し変えなければなりません。

真面目で誠実な人柄のひとが多い印象です(科学的根拠はありません)。

気楽に過ごすことです。

日々、頑張りすぎず、いいかげんにしておくことで、自分を守りましょう。

寝る前に、明日の心配はせず、寝ることを楽しみましょう。

それでも、朝、歯を磨くときにしみたり、口が開けにくいときは歯科医院でマウスガードを作ってもらってそれを装着しましょう。

どうしても、くいしばる必要があるときもあります。

運動するとき、ジムなどで筋トレするときなどは、マウスガードを装着しましょう。

要するに、くいしばりはストレスから来ます。ストレスはある程度人間生活では必須ですが、ストレスが強すぎるとくいしばってしまいます。

3.口の乾燥に気を付ける(口臭の原因)

一日に唾液は1500ml、1.5リットル出ると言われています。

この唾液の量が減ると、どうなるか?さまざまな気になることが出てきます。

まず、口のニオイです。

いくら歯を磨いても、臭いが出てくる場合は、乾燥を疑いましょう。身近な人に指摘されて、急に気になり始めます。

毎日使っている、台所のシンクでも、しばらく水が流れない時間が長くなり、室温が高いとき、臭いませんか?

1.5リットル出る、唾液という液体が、流れなくなると、口の中は36度前後で、雑菌にとっては、増殖し放題になります。

では、口の乾燥の原因は様々ですが、まず以下のことをチェックしてください。

  • 生活リズムは乱れていないか?
  • 睡眠時間は確保できているか?
  • 「戦いモード」ではないか?・・・つまり、課題や宿題の期限に追われているとか、好きなゲームで戦闘モード(緊張状態)になっていないか?
  • 疲労がたまっていないか?
  • 鼻炎のくすりなど、分泌物を出にくくするものを服用していないか?

心当たりあるものがあれば、見直して対策が取れそうならとってみてください。

しかし、なかなか難しいこともあります。

夫婦で来院されている患者さんで「だんなの口が臭いんです。今度来たらちゃんと歯を磨くように言ってください」という奥様がいらっしゃいます。

だんなさんの歯磨きの仕方は問題ないのに、確かに少し乾きがあります。

お聞きすると、お仕事が、夜間に出勤する日が週に何日かあるとのことです。

この場合、昼夜逆転することもあれば、休みの日は家族のリズムに合わせたりと、体内時計が狂いがちになり、唾液がうまく出なくなっていると推察できます。

理屈ではそうですが、これに対してどうすればよいかはお仕事ですから難しいです。

ただ、奥様に理解してもらう必要があり、だんなさんが家にいらっしゃるときはなるべく睡眠をうまく取れるように協力していただく必要があります。

よく経験するのは、お口の掃除がキッチリできている方が「口が臭う」と気にされていることです。

口のにおいを気にし続けると、精神的にいつも緊張状態になり、その緊張から口が乾くことになります。

気楽に生活し、寝ることを大切にして睡眠を楽しんでください。

仕事も、勉強も、そして趣味のゲームや、模型作り、作品作りも1~2時間おきに、休みましょう。

口の乾燥は、他にも歯ぐきからの出血が起こりやすくなったり、粘膜が乾燥することで、ウイルスなどの体内への侵入を許し、かぜをひきやすくなったりします。

上の3つのうち、2つは意識しても難しい、しかしあきらめない

毎日の歯みがき、定期的な歯科医院での掃除の習慣をまず付けることです。歯科医院に行くことができなければ、歯みがきの回数を増やしましょう。

まずは、これです。これは意識して行動すれば習慣にできます。

次のふたつは、意識して、行動しても習慣化するまで時間がかかりますし、意識しても結局できないときも出てきます。

くいしばりすぎないこと、乾燥に気を付けることはなか難しいこともあります。

なぜなら、心の持ち方が原因のことも多いからです。

ざっくりと言えば「その場の空気を読める敏感なヒト」「集中力のある人」「心配事がある人」「生活が不規則な人」が多い印象です。

提案としては、

適当に、おおらかに、ゆったり生きませんか?

嫌なことがあったら、寝ましょう。

細かなことは放置しておくことに慣れましょう。

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歯痛3

くいしばり対策

今、上と下の歯は接触していますか?

リラックスできているときは、下あごが地球の重力に引かれて上あごから少し離れます。

したがって、上と下の歯は接触しません。

もし、今ただ、この画面を見ているだけなのに上と下の歯を接触させている場合は、くいしばるクセがあるのではないかと考えます。

口を閉じるときに、くちびるを閉じるだけで上と歯は接触させないようにしましょう。

ただ、「クセ」というのは無意識でしてしまうので、修正するには、少なくとも1か月ほど、常に自分をチェックしなければなりません。

昔、私は貧乏ゆすりをするクセがありこれを家族に指摘され、「やめなければ!」と注意しましたが、クセから抜け出すために数年かかった記憶があります。

今もやめたいクセがありますが、なかなか難しいです。

視界に入るリマインダーを使ってクセをチェック
  • 仕事終わりに、夕方に歯が痛くなる。
  • 部活が終わって家に帰ってくると、奥歯のほうが何となく重だるい感じになる。

このように、日中に、くいしばり時間が長いと ホッとしたときに疲れてしまった、歯が症状を出します。

仕事中にくいしばってしまうときは、仕事しながら、くいしばっていないかチェックできるように、以下のような工夫をおススメします。

  • デスクワークの方は自分のデスクのところに、目立った色の付箋を貼る。付箋が目に入ったら、上と下の歯が接触していないかチェックする。
  • 外回りをするときは、腕時計をいつもと違う側につける。左腕につけていた人は右手につける。腕時計を見るたびに、くいしばっていないか確認する。

など、仕事中にアゴの緊張がないかを確かめながら、やめたいクセを無意識にやってしまっていないか「思い出させてくれる(リマインダー)工夫をしてみてください。

ただ、力仕事の方や、スポーツ系の部活動をしている学生の方はどうしても、くいしばって動作をする必要があり、どうしても歯に負担がかかりやすくなります。

このような場合は作業中に夜に使うマウスピースをはめて負担を減らすようにすることも検討してください。

マウスピース(マウスガード、ナイトガード、スプリント等と呼ばれています)
  • 朝に、歯がしみる。
  • あさごはんの時に口が開けにくい。
  • 午前中に詰め物がはずれたり、欠けたりすることを何度か経験している。

このような症状がある場合は、睡眠中にくいしばったり、歯ぎしりする時間が長い可能性があります。

どなたでも、8時間睡眠とると15分ほどは、上と下の歯が合わさっている時間があるという研究もあります。

ただ、症状が出てくる場合は、睡眠中のくいしばりの力がとても強かったり、くいしばり時間が長くなっているので、歯や、歯を支える骨、歯周じん帯に負担がかかりすぎているのです。

起きている間は、噛んでしまうクセを「なおそう」と意識して努力すればいいのですが、夜寝てしまったら、気づきません。

このような場合は、夜間マウスガードをはめて寝ることが有効です。

マウスガードはネットでも購入可能ですが、自分の歯並びにはあまり合わないので、できれば歯科医院で自分の歯並びに合ったものを作ってもらってください。

はぎしりや、顎の調子が悪いといった症状が認められれば、医療保険が適応され、3割負担で2500円から5000円程度で作ってもらえます。

食事以外の時はかみ合わさない

症状が出やすいときはこれを実行してもらうことです。

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歯痛2

冷たいものがしみる知覚過敏がなぜ起こるか

くいしばっている時間が長くなると、歯の中にある血管が充血します。

歯の中には血管とからみ合った状態で神経があります。

これらの血管と神経が、歯の内部にある硬い壁で囲まれた部屋に閉じ込められています。

血管が充血してくると、血管が膨らみからみ合っている神経を圧迫して過敏な症状が出てきます。

こうなると、歯ブラシを当てただけでも痛みを感じたり、冷たい水でしみたりします。

痛みがあり、すぐに「むし歯かな?」と心配になりますが、歯科医師や歯科衛生士が診てもむし歯の存在が確認されない場合は、このようなことが歯の内部で起こっていることがあります。

・たまに、歯や、あごに鈍い痛みを感じる、痛みを感じないときもある

・かんだら痛い

このような症状はなぜ起こるか考えてみます。

歯の根っこにはじん帯があり、このじん帯と骨がつながって、歯を支えています。

上と下の歯を咬み合わせたときに、若干歯は沈み込みます。これは根っこにあるじん帯が縮むからです。

そして、このじん帯のところにも神経が来ています。

試しに、指先を洗って、適当に自分の歯を指で押さえてみてください。

「押さえられている」と感じると思いますが、この感覚は、じん帯が縮んでいることを知らせる神経が教えてくれています。

じん帯というのは、硬い組織と硬い組織をつなぐセンイの束で、少し伸び縮みします。

じん帯を使いすぎると運動しすぎた後に足の関節などが次の日に痛むことがあります。

歯の根っこにある「歯周じん帯」も同じです。

歯が運動しすぎる(上と下の歯を咬み合わせて力を入れること)と、早ければその日に、遅いときは数日経ってから、なんとも言えない違和感、どちらかというとだるく、重く痛い感じ、いわゆる鈍い痛みをおぼえることがあります。どこの歯がそう感じているのか分からないことが多いです。歯科医師に伝えるときも、どう自分が感じていることを表現することに困ります。

その歯の運動というのは、上と下の歯が接触して、咬みこむことでじん帯が力を受けることです。

はっきりした虫歯や歯周病の進行などが認められないときに、このような痛みや違和感を訴える患者さんに対して僕がいつも問診しながら探っていることがあります。

それは、、、

症状が出現した前に、早ければ1~2時間前、あるいは半日、一日前に何か緊張下で何かをやっていなかったかを思い出してもらいます。人によっては数日前の場合もあります。

なぜなら、ひとは、緊張した状態でものごとをするとき、考え事をするときにくいしばったり、特定の歯をかみ合わせることがあるのです。くいしばることで、脳が受けるストレスが軽くなると考えられています。

むし歯などが確認できない場合は、患者さん自身がこれらの症状を引き起こしている可能性があると考えます。

この場合の治療は患者さんと一緒に、上と下の歯をかみ合わさなければ、できないようなストレスがなかったを探すことになります。

普段しないことをしていなかったか?

今までに、患者さんから問診して例えば以下のようなときにかみ締めていた可能性があることがわかりました

  • 趣味の模型作りをしていた次の日から咬むと痛い。
  • 社交ダンスのレッスン後にピーナツが食べるのが痛い。新型コロナウイルスでレッスンが中断してから食べても痛くなくなった。
  • 夫が腹立たしい言動を最近してくることに対してガマンして言い返せないでいることかしら?
  • 新型コロナウイルスの影響で、ずっと在宅ワークになっていることがストレスかも。
  • 妻が交通事故にあって、昨日退院して、ほっとしたあと痛みを感じ始めているようだ。
  • 習い事のパッチワークの発表会前で、作品作りに忙しいが、それかな?
  • 部活終わって、夕方自室に入って寝ころんだ時に奥歯がダル重くなる。
  • 締め切りの仕事に追われた次の日の朝、あご全体が痛くて、水がしみる。夜にかみ締めているのかも?
  • 久しぶりに子供が家に泊まり、孫をだっこしていたからか?

などなど、患者さんにはまず「かみ合わせる時間が長くなると症状が出ることが多い」ということを、納得できなくとも、「そんなものかな?」くらいに理解してもらってから、探します。

そうすると、心当たりがあることが見つかることが多いのです。

くいしばりが痛みの原因の場合は、習慣を変える必要がある。

食事以外の時は、かみ合わさない!

これをまず実行してもらうことです。

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歯痛

歯が痛いときは、不安になるものです。

患者さんたちに教えていただく日々の診療を通して、「痛み」を引き起こす原因が、どうも患者さん自身が、気づかぬうちに、上と下の歯をグッとくいしばってしまって歯や、歯の根っこにある歯根膜(歯と骨をつなぐじん帯)に強い力がかかることによることが、かなり多いと気づいてきました。

「ちゃんと歯は磨いている。

前回の歯のお掃除のときには何も問題を指摘されなかった。

なんで痛いの~?」

痛みの原因がわからないときは、

「もしかして、むし歯かも?」

「えっ?歯周病?」

って、ネガティブな声が頭の中で、ざわざわします。

しかし、それが、あなた自身が歯に力を入れすぎていることが原因だったら?

ながらく、なぜ患者さんが痛がっているのか、わからないことが多かったんです。

目で見て分かりやすい、むし歯や、歯ぐきが赤く腫れている時などは、私がまだ、歯科医師になって1年目だった時でもわかりました。

ところが、歯科医師になって10年経っても患者さんが訴える痛みを特定できないことのほうが多かったのです。

目で見ても、X線で確認しても、歯そのもの、歯の根っこ、その周囲の骨に、なんら問題がない場合ってのが、多くありました。

患者さんのブラッシングの仕方はそんなに問題ないのに、、、、

こんな場合は、患者さん自身のクセで、症状が出ていることが多いんじゃないかと気づいてきました。

クセとは、ものを食べていないのに、上と下の歯を接触させ、ついつい喰いしばってしまうってことです。

今の仕事場は小さい診療所で、患者さんの数も午前中8人、午後も6人程度で、のんびりやっていますので、どうしても、今まで分からなかった歯の痛みの原因を知りたくて、ゆっくり患者さんの話を聞いて、じっくりと歯を観察して得た結論が、「生活習慣の中に歯痛を起こさせる原因がある。」というものです。

くいしばりが痛みの原因の場合は、習慣を変える必要がある。

食事以外の時は、かみ合わさない!

これをまず実行してもらうことです。

前提は、僕の話をまずは「そんなこともあるのかな?」と信じて、やってみてもらうことです。

くいしばってしまう時間とは、、、

  • 頑張っている時、
  • 緊張している時、
  • 腹が立っている時、
  • 何かの作業に熱中している時、
  • 心配事が多い時、
  • 細かなことをしている時
  • 明日のことを案じて寝ている時

などが多いのではないかと考えています。

患者さんがくいしばっているその瞬間を目撃しているわけではないのですが、くいしばりが原因と仮定して、対策を講じていくと症状が軽くなる、なくなってしまうことが多くなることで、この仮定が正しいと感じるようになっています。

・くいしばり時間が増えると様々な症状が出ます。

・冷たいものがしみる知覚過敏

・たまに、歯や、あごに鈍い痛みを感じる

・かんだら痛い

次回は、これらの症状がなぜ痛みを引き起こすのか?を考えていきます。