ホワイトニングとは
ホワイトニングという言葉の意味は「歯を白くする」ということですが、一般的には歯を削らずに、薬剤を使って白くしていくというものです。
簡単に言うと「漂白」です。
薬剤は過酸化水素水を用います。厳密にいうと過酸化尿素を使用しますが、作用するときは過酸化水素というものになっています。
ホワイトニングは、日本では歯科医院でしかできません。アメリカでは化粧品と同じ扱いで、過酸化尿を普通に購入でき、歯を白くすることに熱心なアメリカ人は自分でホワイトニングをしているそうです。
日本ではホワイトニングをうたった、歯磨き粉なども売られていますが、それは歯の表面に着色した物質を取り除く程度のものです。
ホワイトニングする前にチェックすること
ホワイトニングの対象となる歯は、原則歯科治療を受けていない歯です。
歯科治療とは、かぶせ物をしているとか、歯の表面に薄いパネルを貼っているなどの場合は、効果はないと考えましょう。
また、歯の一部にレジンという詰め物がしてある場合、詰め物をしている部分は薬剤が反応しません。
さらに、歯科治療を受けていない天然の歯でも、歯の内側の層の象牙質というところに色がついてしまっている場合はホワイトニングでは白くできません。テトラサイクリンという抗生物質を歯が形成されていく時期に摂取すると歯が内側から変色してしまうのです。
これらをチェックして、もしホワイトニングをしたい歯が上記以外の場合には歯科医院で相談してください。
ホワイトニング前に歯面清掃をしてもらいましょう
歯の黄ばみや汚れが気になっている場合、実はホワイトニングをしなくても、単に歯の表面を磨いてもらうだけで、白くなる場合があります。
これは歯のクリーニングですね。日本語では歯面清掃(しめんせいそう)と言います。
一般的には保険が適応されますが、歯科医院によっては保険適応外として施術するところもあります。
歯石を取ってもらったうえで、歯面清掃もしてもらいましょう。
この時点で、「白くなった」と満足できれば、ホワイトニングをする必要はありません。
ホワイトニングをするにしても、まず歯の表面の着色している、茶しぶなどを取り除かないと、ホワイトニングの薬剤が浸透しません。
歯面清掃しても「もうちょっと白くならないかな?」と思うようなら、ホワイトニングに進みましょう。
ホワイトニングのゴール設定をすることが大切
さて、歯科医師、あるいは歯科衛生士に、どの程度白くしたいかを伝える必要が大事です。
どの程度白くなるかなんて分からないかもしれませんが、芸能人でもいいです、雑誌でも、スマホの画面でもいいので、自分の希望をまずは伝えてください。
そこで、現実的にはどの程度白くなるか、聞いておきましょう。
例えば、新庄剛志さんという野球選手が居ますが、新庄さんのような「白さ」はホワイトニングでは無理です。
彼の白い歯は、天然の歯ではありません。
また、化粧品の広告などに使われているモデルさんの歯が白いのは、画像処理されている場合が多いです。
ただ、希望は伝えたほうがいいです。
なぜなら、あなたが期待している「白の度合い」が、ホワイトニングで実現できる可能性がどれくらいあるのかを、ホワイトニング前に歯科医師、歯科衛生士の意見をしっかり聞いて、過度に期待しないようにしましょう。
歯科医院でやってもらうか、家でするか
ホワイトニングは以下の方法があります。
- 歯科医院で高濃度の薬剤を使って施術を受ける。
- 毎日2時間ほど自宅で、マウスピースに薬剤を入れて2週間ほどゆっくり白くする。
- 歯科医院の施術と、自宅でのホワイトニングを併用する。
おススメは、家でホワイトニングする方法です。薬剤濃度が薄いですが、毎日作用させるほうが、時間はかかりますが、歯や歯ぐきには優しいかもしれません。
注意点としては、白さを求めていく途中で迷子になってしまうことがあります。
白くなったのか分からなくなってしまうことです。白さを評価する器械を備えている歯科医院ばかりではありません。また自宅でする場合は自分で確かめたいですよね。
したがって、必ず上の歯からやってみましょう。このとき、ホワイトニングをしていない下の前歯の白さとどの程度差が出てくるかで効果が判定でき、迷子になりません。上の前歯と下の前歯は大体同じ時期に形成されるので、色もよく似ていますので、下の歯を「ホワイトニング前の色」として基準にすることがおススメです。
ホワイトニング効果のぶっちゃけ話とベストな方法
さて、私自身が患者さんにホワイトニングをしてきた経験から正直に伝えておきたいことがあります。
それは、患者さんによっては、期待する効果がなかなか出ない人も多くいることです。
もちろん、期待を上回り、驚くほど白くなる方もいらっしゃいます。
ただ、対象者全員が白くなればいいのですがそうはなりません。
少し白くなったかな?という程度の場合が多いです。
なので、結論としては
- ホワイトニング前に必ず一度、歯石除去と歯面清掃をしてもらってください。それで満足できればホワイトニングは不要です。
- 過度の期待せず、思ったより白くなったらラッキー程度に考えましょう。
- できれば自宅でゆっくりホワイトニングをじっくりやっていきましょう。
- まずは上の前歯から家でじっくりホワイトニングをして、その効果を自分で確認したうえで、下の前歯もやりましょう。
- 歯科医院任せにせず、自分で評価していきましょう。
- 2週間自宅でホワイトニングして、効果が無かった場合は、あきらめましょう。この場合、歯科医院で高濃度のホワイトニングをやってもらっても、あまり効果がないことが多いからです。