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歯ぐきが下がる原因

歯ぐきのラインが下がってくると、象牙質が露出し(写真の白い歯の歯茎側の黄色い部分)知覚過敏が起こりやすくなったり、ものが詰まりやすくなったりします。

よく、老化が原因と考えられていますが、そうとも言えません。

20代の人でも下がることは珍しくありません。

冷たいものがしみたり、歯ブラシでピリッときたりする症状は、歯ぐきが下がる前から起こります。

原因は、歯に力がかかっている時間が長い場合に、歯の中にある血管が充血し、周囲に絡まって存在する神経を圧迫し過敏な症状が出てきます。

一番どなたでも起こる可能性があるのが、食事の時以外の時間帯にくいしばったり、夜に歯ぎしりをしたりすることで症状が出てきます。

そして、歯ぐきが下がるのは、その数か月後になります。

歯ぐきが下がらない人も多くいます。

ただ、歯が下がらない人は、くいしばり時間が増えると、歯を支える歯ぐきの下にある骨が外に出っ張ってきます。

あるいは歯の首のところがくさび上に欠けてくる場合もあります。

いずれにせよ、歯ぐきが下がる原因は歯にかかる力です。歯科矯正の場合は、歯を移動させる力を強すぎると、歯ぐきが下がりやすいことが知られており、矯正専門医は歯にかける力を慎重に調整しています。

高齢になっても、歯ぐきのラインがほとんど下がっていない人も多くいらっしゃいます。

決して老化によるものではないということです。

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口腔乾燥症

よく見る歯科の解説文章には、男性に比べ女性は口が乾くことが多いとあります。

特に、年を重ねるごとに、女性ホルモンの減少が原因で口が乾いてくるのだと書いてあります。

そして、私も患者さんにそのように説明することが多いです。

しかし、この説に反して、明らかに閉経後の年齢に達しているご婦人たちの口がうるおっているのを、たくさん診てきている自分は、

「女性ホルモンが原因で口腔乾燥に至りやすい」という説はほんまかいや?

と感じる今日この頃です。

口の粘膜が、キラキラと光で反射して、唾液があふれてくる80歳、90歳の女性もいてはります。

どないなってるんやろ?

私も、受けてきた教育は西洋医学的なもので、いわゆる「科学」という権威のもと、日々仕事をしております。

科学的とはなんぞや?

と日々よくわからないことも多いです。

科学的とは、再現性が求められ、みんなが共有できる事実、証拠がなくてはなりません。

私自身が「これは、こうだ」と言っても、たくさんの歯科医師が「私もそう思う、同じことを経験した。」という情報を、こんどは「リサーチ、研究」という手段でもって、「n(エヌ」」をより多く集めて検証することをします。

「n(エヌ)」とは数です。これは多いほうがいいのです。

私自身の経験のみでは「n=1」で「科学的」ではありません。

それは個人的な主観と言われ、科学をあがめる人たちにとっては「まゆつば」とされかねないものです。

この場合、「高齢女性は口が乾く傾向にある」ということが科学的であるのでしょう。

だから、科学的にものを言わねばならないと教育を受けてきた私は、患者さんに説明するときには必ず「経験から私はそう思います」と付け加え、「裏付ける論文があるのかは、わかりません。」と断りを入れます。

正直に申し上げて、私は「こういう論文がある」と言って、あたかもそこで検証されていることが「ほんまもんのこと、全員にあてはまるもの」だと自信をもって、解説する人(私もよくやりますが・・・)を信じていません。

科学には限界があるんや と思っています。それは、疫学調査などの場合はあくまで「傾向がある」というにすぎず、例外も多いからです。

個人としての「気づき」こそ、大切やと、思っています。だから、このブログをやっています。

「それ、科学的な根拠あるん?」 と同業者に言われても、最近は平気です。

だって、ぼくはそれを見たんやもん。そう感じたんやもん。と反論して、一人の歯科医師として、目の前のひとりの患者さんの口の中の出来事が、たとえ、世間で受け入れられている科学的な事実(?)と違っても、目の前で起きていること、それを体験している自分を信じるようにしています。

少し、横道にそれましたが、

口の中が、少女のように唾液がよく出ている高齢女性がいる一方で、、、、

男のくせに、どないしたん?口乾いてるやん!って人もいるわけです。

口の乾燥、すなわち、だえき(唾液)をつくる、だえきせん(唾液腺)がちゃんと唾液をつくってくれないと、粘膜上にある唾液に泡が混じっていたり、光を当てても、粘膜がキラキラと光を反射せずに、マットな感じに見えたりします。

男性で口が乾いている人には、必ずいろいろ、問診をします。

  • 内科の先生からクスリ何種類くらいもろてますか?
  • 疲れがたまってることありませんか?
  • 今、緊張してますか?

などなど・・・

唾液をつくる、唾液腺という組織は、自律神経が支配しているようです。

自律神経が支配しているということは、私たちが意識して、なんとかしようと思っても難しいってことです。

自ら律する神経

ですから、勝手にやってはるんです、自動的に唾液をつくったり、つくらんかったりするということです。

心臓などは、少しの間だけ、止めておこうと努力しても止まりません。

心臓も自律神経が支配しているようです。

なので、唾液は、自分でなんとかしようと努力しても、その分泌量をコントロールすることが難しいです。

ただ、単純に言えることは、

緊張している時や心配事があるときは、唾液は出にくいです。

また、クスリの影響もあります。

心臓をはじめ血管など、自律神経が支配しているところに対して、お医者さんがクスリを処方している時は影響があることがあります。まったく影響していない患者さんも多いけれど・・

睡眠薬、睡眠導入剤を飲むと、かなりの確率で影響が出やすい感じです。眠りやすいけど、唾液腺も寝てしまっている感じです。

また、花粉症の季節に、鼻水を止めるクスリも、しっかり唾液も出にくくなります。

しかし、男性でこれらのクスリを服用しいない場合、、、

考えられることは、「緊張状態」か「体が眠りたがっているか」です。

緊張状態(戦闘モード)→食べている場合やない→唾液出ない

常に緊張状態を強いられている、大会途中のアスリートたちの検診をしたことがあります。

みなさん20~30歳代の男性で、お若いのにもかかわらず、ほとんどの選手に口の乾きがあり、びっくりしたことがあります。

しかも検診を待つ間の選手たちは、「戦い系のゲーム」をしており、常に「戦闘状態」=「緊張状態」にあると考えました。筋肉に血流が取られ、消化管には血流が少なくなっているのでしょう。

また、、

「体が眠い」と訴えている時に起きている状態の時も、唾液の量は減るのだということも、よく経験します。

奥さんに口臭がひどいと、嫌な顔をされると訴える方は、夜勤が週に3日ほどあり、やはり、夜勤明けに診察に来られた時に、唾液分泌が減っていることが認められました。口が唾液で洗い流されていないと、いくらきれいに、歯磨きをしてもニオイが出てくることがあります。

からだが寝ている時=唾液は少ない

先日診察した70代の男性は、夏には出ていた、つばが最近、朝に出ない、義歯をつけていると痛いことが多いと訴えていました。

お聞きすると、朝4時に起きて、散歩して、ベロの体操をして、奥様のために朝食をつくる。その食事も奥様が食べやすいように細かく刻んでひと手間かけるのだということ。なんて優しいご主人。

これを聞くと、この方が「生真面目(きまじめ)」であるとわかります。

「しなければならないルーティン」を自らに課して、それを守り続けることは、美しいことではありますが、張りつめている生活には「うるおい」が失われがちです。

真面目過ぎる男性、周りへの気遣いが過ぎる男性は乾き気味です。

クスリの服用もなく、今でも女性にモテそうな、その方には、「不真面目な」処方せんが必要と感じます。

つばが出ないのは、朝4時に「からだ」は起きたくないのかもしれません。10月に入り、朝、少し肌寒いです。寒くなると「からだ」は睡眠を要求します。その「声なき声」を聴かずに、ただ「4時に起きる」というルーティーンにとらわれてしまうと、口が乾き、入れ歯と粘膜に潤滑剤として本来存在する唾液がなくなり、容易に粘膜を傷つけることとなります。

週に2回ほどは自分勝手に、ぐうたらして自分勝手に外に繰り出すのもよいのではないかと思います。

私は、この方にはそうは言えず、少し寒い朝が増えてくるので1時間ほど遅めに起きることを勧め、体操は一日おきに減らして、代わりに、深い呼吸をゆっくり体を横たえて毎日5~10分でもすれば、唾液は出やすくなると提案しました。

口腔乾燥(ドライマウス)と脱水は違う

ドライマウスという言葉をご存じでしょうか?

ドライアイという言葉は目が乾くといった意味で、スマホやパソコン画面を瞬きせずに見続けると乾いてくるということもあり、理解できます。

ドライマウスは、「口が乾く」ということで「ノドがかわく」という意味とはちょっと違います。

患者さんはよく、「口が乾かないようによくお茶や水を飲んでいます」とおっしゃっていますが、お茶や水をたくさん飲んでも、口の乾きは、改善できない場合がほとんどです。口がうるおうのは、その液体が口の中に存在するときだけで、飲み込んでしまったときに、唾液が出なければ、また乾いてしまいます。

脱水を予防する意味で水分をとることはいいでしょう。

しかしドライマウスを改善するには水分摂取では解決できないとしたら、どうすればいいのでしょうか?

  • 積極的に唾液腺をマッサージやベロの体操して「絞りだす」方法
  • すっぱいもの、梅干しやレモンを口に入れる、あるいは想像するイメージ療法
  • ガムをかむ習慣をつける
  • 異性のセクシャルな魅力を思い描くことも効果があるかもしれません
  • 目をつむって、呼吸に意識を集中して、ゆっくりと深めの呼吸をすることで、涙や唾液を自然とあふれさせる方法(私はこれが好きです)
  • ドライマウス、ドライアイを起こす可能性のある、クスリの服用の見直し(お医者さんと相談)

以上は、実際に私が患者さんにアドバイスしている方法です。

唾液が少ないと、かぜのウイルスが体内に侵入しやすくなるようですし、口臭もひどくなりがちです。

うるおい多い口の環境をつくりたいものです。

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インプラントと入れ歯

何も入れない選択肢もアリ?

歯を失った場合、どのような選択肢があるのか整理しておきましょう。

  1. 何もしない。(抜けたままにしておく。)
  2. 入れ歯にする。(自分で取り外しするもの。)
  3. 抜いた歯の前後を削ってブリッジにする。
  4. インプラントにする。

以上4つです。

選択肢の1番については、歯科医師によっては選択肢には入れないこともあります。

以前の私も、2~4番を患者さんに提示していました。

何もしなければ、周囲の歯が動いて全体としてバランスを崩すことがあるからです。

しかし、絶対に、周囲の歯が寄ってきたり、倒れてきたりして、かみ合わせが狂いだすのか?と言われると、何もせずに放置した場合でも、まったく問題なく経過する場合もあります。

特に一番奥の歯を失った場合、必ずしも、食事がすぐできなくなる訳ではありません。

また、途中の歯が抜けた場合でも、周囲の歯がほとんど変化しない場合もあります。食事することも一本抜けただけでは、そんなに食事に支障をきたさない場合もあります。

歯科医師の得意なやり方に誘導されることがある

歯科医師が患者さんに選択肢を示し、それぞれの長所と短所を説明するとき、その歯科医師が好む選択肢に誘導していくことがあります。

自信があり、今までの経験から「これしかない」と決めている場合は、それ以外の選択肢の短所を強調しがちになります。

こう書くと、不誠実に聞こえるかもしれませんが、決してそういうことではありません。

入れ歯が得意な歯科医師は、「インプラントなんてやめときぃ。高くつくで。」「ほんで、ブリッジなんかアカン、削らんでいい歯を削らなあかん。」「あんたには入れ歯が一番や、取り外しできるから衛生的やで」てな具合に説明するかもしれません。

その先生を信じていたら、入れ歯を入れることになるかもしれませんね。

それはそれでいいと思います。

短所がない選択肢はない

インプラントは大昔から、我々人類はチャレンジしてきたらしいです。

エジプト時代では、サファイアなどをあごの骨に植えたという記録があると聞きます。

しかし、実際にインプラントが骨にちゃんとくっついて、噛めるようになったのは半世紀弱くらい前からです。

今では、かなりシステマチックに処置を行うことができ、時間やお金の投資は必要ですが、うまくいけば快適な食生活を送ることができるでしょう。

ただ、歯科医師の中にはインプラント以外の選択肢に対して否定的になりすぎ、患者さんにインプラントしか勧めない人もいるようです。

あまりに押しの強い営業をされると逃げたくなりますよね。

こういう場合は、いったん別の歯科医師にそっとセカンドオピニオンを聞きに行きましょう。他の選択肢の長所も聞いて、インプラントの欠点も理解してください。

そのうえで、やはりインプラントということになれば、最初の歯科医院に戻って施術を受けましょう。きっとその先生はインプラントが好きで得意なはずです。提案の仕方が下手なだけです。

どの選択肢でも、慣れてしまえば大丈夫

こう書いてしまうと、なんや、しょうもな。ってことになりますが、現実としてはそうなんです。

様々な患者さんの中に、いろいろな治療がしてあります。

入れ歯は出し入れが、めんどくさいように思いますが、入れ歯で何でも食べてハッピーな人もたくさんいます。

ブリッジは失った歯が本来受ける力を前後の歯に負担をさせるので、寿命が短いと言われますが、20年、30年と快適に使っていらっしゃる患者さんもいます。

歯が欠けたり、むし歯になったりして、結局上下のあごには、歯の根っこだけ残った方が、入れ歯もブリッジも入れずに、根っこの歯で、なんでも召し上がっている様子を高齢者施設で拝見したことがあります。施設スタッフは、入れ歯を入れなければと考えておられたようですが、まぁ、何もせんでもいいと思います。

また、入れ歯にして苦労していた方が、思い切ってインプラントすることで、なんでも食べることができるようになったと喜んでいる方がいらっしゃいます。

ということは・・・・

選択した方法で、おいしく食事ができれば、それでいい。

という結論です。

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ホワイトニング

ホワイトニングとは

ホワイトニングという言葉の意味は「歯を白くする」ということですが、一般的には歯を削らずに、薬剤を使って白くしていくというものです。

簡単に言うと「漂白」です。

薬剤は過酸化水素水を用います。厳密にいうと過酸化尿素を使用しますが、作用するときは過酸化水素というものになっています。

ホワイトニングは、日本では歯科医院でしかできません。アメリカでは化粧品と同じ扱いで、過酸化尿を普通に購入でき、歯を白くすることに熱心なアメリカ人は自分でホワイトニングをしているそうです。

日本ではホワイトニングをうたった、歯磨き粉なども売られていますが、それは歯の表面に着色した物質を取り除く程度のものです。

ホワイトニングする前にチェックすること

ホワイトニングの対象となる歯は、原則歯科治療を受けていない歯です。

歯科治療とは、かぶせ物をしているとか、歯の表面に薄いパネルを貼っているなどの場合は、効果はないと考えましょう。

また、歯の一部にレジンという詰め物がしてある場合、詰め物をしている部分は薬剤が反応しません。

さらに、歯科治療を受けていない天然の歯でも、歯の内側の層の象牙質というところに色がついてしまっている場合はホワイトニングでは白くできません。テトラサイクリンという抗生物質を歯が形成されていく時期に摂取すると歯が内側から変色してしまうのです。

これらをチェックして、もしホワイトニングをしたい歯が上記以外の場合には歯科医院で相談してください。

ホワイトニング前に歯面清掃をしてもらいましょう

歯の黄ばみや汚れが気になっている場合、実はホワイトニングをしなくても、単に歯の表面を磨いてもらうだけで、白くなる場合があります。

これは歯のクリーニングですね。日本語では歯面清掃(しめんせいそう)と言います。

一般的には保険が適応されますが、歯科医院によっては保険適応外として施術するところもあります。

歯石を取ってもらったうえで、歯面清掃もしてもらいましょう。

この時点で、「白くなった」と満足できれば、ホワイトニングをする必要はありません。

ホワイトニングをするにしても、まず歯の表面の着色している、茶しぶなどを取り除かないと、ホワイトニングの薬剤が浸透しません。

歯面清掃しても「もうちょっと白くならないかな?」と思うようなら、ホワイトニングに進みましょう。

ホワイトニングのゴール設定をすることが大切

さて、歯科医師、あるいは歯科衛生士に、どの程度白くしたいかを伝える必要が大事です。

どの程度白くなるかなんて分からないかもしれませんが、芸能人でもいいです、雑誌でも、スマホの画面でもいいので、自分の希望をまずは伝えてください。

そこで、現実的にはどの程度白くなるか、聞いておきましょう。

例えば、新庄剛志さんという野球選手が居ますが、新庄さんのような「白さ」はホワイトニングでは無理です。

彼の白い歯は、天然の歯ではありません。

また、化粧品の広告などに使われているモデルさんの歯が白いのは、画像処理されている場合が多いです。

ただ、希望は伝えたほうがいいです。

なぜなら、あなたが期待している「白の度合い」が、ホワイトニングで実現できる可能性がどれくらいあるのかを、ホワイトニング前に歯科医師、歯科衛生士の意見をしっかり聞いて、過度に期待しないようにしましょう。

歯科医院でやってもらうか、家でするか

ホワイトニングは以下の方法があります。

  • 歯科医院で高濃度の薬剤を使って施術を受ける。
  • 毎日2時間ほど自宅で、マウスピースに薬剤を入れて2週間ほどゆっくり白くする。
  • 歯科医院の施術と、自宅でのホワイトニングを併用する。

おススメは、家でホワイトニングする方法です。薬剤濃度が薄いですが、毎日作用させるほうが、時間はかかりますが、歯や歯ぐきには優しいかもしれません。

注意点としては、白さを求めていく途中で迷子になってしまうことがあります。

白くなったのか分からなくなってしまうことです。白さを評価する器械を備えている歯科医院ばかりではありません。また自宅でする場合は自分で確かめたいですよね。

したがって、必ず上の歯からやってみましょう。このとき、ホワイトニングをしていない下の前歯の白さとどの程度差が出てくるかで効果が判定でき、迷子になりません。上の前歯と下の前歯は大体同じ時期に形成されるので、色もよく似ていますので、下の歯を「ホワイトニング前の色」として基準にすることがおススメです。

ホワイトニング効果のぶっちゃけ話とベストな方法

さて、私自身が患者さんにホワイトニングをしてきた経験から正直に伝えておきたいことがあります。

それは、患者さんによっては、期待する効果がなかなか出ない人も多くいることです。

もちろん、期待を上回り、驚くほど白くなる方もいらっしゃいます。

ただ、対象者全員が白くなればいいのですがそうはなりません。

少し白くなったかな?という程度の場合が多いです。

なので、結論としては

  • ホワイトニング前に必ず一度、歯石除去と歯面清掃をしてもらってください。それで満足できればホワイトニングは不要です。
  • 過度の期待せず、思ったより白くなったらラッキー程度に考えましょう。
  • できれば自宅でゆっくりホワイトニングをじっくりやっていきましょう。
  • まずは上の前歯から家でじっくりホワイトニングをして、その効果を自分で確認したうえで、下の前歯もやりましょう。
  • 歯科医院任せにせず、自分で評価していきましょう。
  • 2週間自宅でホワイトニングして、効果が無かった場合は、あきらめましょう。この場合、歯科医院で高濃度のホワイトニングをやってもらっても、あまり効果がないことが多いからです。
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口のガン

ガンと聞くと、恐いしイヤですよね。

ガンによっては、大きさにもよりますが、手術で取って、適切な治療を受ければ、転移や再発が少ないものもあります。

口の中にも残念ながらガンはできます。舌ガンの場合少し大きくなるとリンパ節に転移しやすいので嫌なガンの部類です。

口腔ガンについては、有名人が舌ガンになったといったニュースなどでご存じだと思います。

首から上のガンは、体全体にできるガンの2%程度なので、一般の歯科医院の診察中に遭遇することはそんなに多くありません。

ただ、開業して8年になりますが、一人の方はガンになりました。

しかし、発見が早く、早期に大学病院に紹介できたこともあり3年経過しても再発や転移などはなくお元気です。

口の中のガンの見つけ方

ここでは、自分でできるガンの見つけ方を書いてみたいと思います。

以下が、特徴です

  • 痛くない(ことが圧倒的に多い)
  • 違和感程度
  • 口内炎のように見える(白かったり、赤かったり)
  • しこりがある(進行してきた場合)
  • 口内炎のように見えるものが、2週間たっても消えない

鏡の前で口の粘膜をチェックすることが大切

上に書いたように、口にできるガンは痛くありません。

ただし、進行してくると神経などにガンが入り込んできて痛くなってきます。

従って、自分で口の粘膜をたまに(1か月に1~2度)チェックすることが大切です。

見える範囲でいいので、口の中の粘膜を見て見ましょう。

一度見ただけでは分からないことが多いので、定期的にチェックすることで、変化があったときに

んっ?

何これ??!!

と、気づくことができるようになります。

痛みがない変化なら2週間チェックする

痛みがある場合はおそらく、単なる口内炎で2週間以内に消えてしまうでしょう。

痛みがない場合は、2週間様子を見てください。ただし、恐ければすぐに診察を受けましょう。

ただ、すぐに受診できないこともあるでしょう。その場合に自己観察する期間は最長で2週間です。

2週間たっても、変化がないようだったり、大きくなるようならすぐに、歯科医師、あるいは耳鼻科医のチェックが必要です。

ただし、できれば歯科の場合、「口腔外科」を標榜しているところにしてください。

耳鼻科のことはよく分かりませんが、あまり腫瘍を診たことがなかったり、治療経験のない耳鼻科のお医者さんもいらっしゃるかもしれませんので・・・

理想的には、かかりつけの歯科医院でまずは診てもらい、大きな病院を紹介してもらうことです。

大病院は、いきなり受診することをいやがりますが、さっさと診断をつけてもらうためには、いざとなれば、

紹介状なしでも、腫瘍外来などがある、耳鼻科、口腔外科のある病院に受診してください。

ただし、初めて受診するとき、紹介状なしの場合は別途数千円から数万円必要です。

もし仮にガンであれば、時間を無駄にできません。

急いでください。

痛みがない、腫れや膨らみで、まったく問題のないもの

ただし、実際には、ガンでないものを「ガンではないか?」と不安になって受診する方も多いです。

今までの経験で、ガンではないもので多いものを列記します。

  • アフタ性口内炎
  • 粘膜を咬んでしまった痕
  • 骨の隆起
  • 舌の奥にある、ブツブツとした隆起
  • 舌の脇の奥のほうにある、やや赤みがある隆起(両方にあります)

しかし、上のように書かれてもピンとこないかもしれません。

不安なら受診

正直に告白しますと、初期の腫瘍は、それがガンであるのかないのか、分かりません。

ちゃんと、それがガンかそうでないかを診断するには、その一部を切り取って、顕微鏡でどのような細胞なのかを専門の医者に診てもらう必要があります。

その専門の医者を、病理医といいます。

ただ、粘膜の変化を、すべて取って調べるわけにはいきません。

そのような場合は患者さんと共に観察することになります。

口の中の粘膜に変化があった場合で、わたし自身が気になる場合は、患者さんに手鏡を持ってもらい、一緒に口の観察をします。

「ここが、少し白っぽくなっていて硬いのですが、様子を見たいと思いますが、2週間たって、この白いところが変わらなければ、再度受診してください。」

このように説明すると、患者さんは不安そうにされます。なので続けて、

「まず、問題ないと思いたいのですが、ガンになる前に、このように白っぽくなることもあります。歯など硬いところに粘膜が押し付けられたり常に硬い歯に挟まれたりしていると、このような白くかたい、カタがつくことがあります。そのような場合はこの2週間の間にマシになったり消えたりすると思います。そのときは受診不要です。」と。

私が説明することはだいたいこのようなものです。

ただ、日ごろから来られる方には、ご自身で粘膜をチェックするよう促しています。

そして、何か気づいて不安に思ったらとにかく診せに来てくださいと説明しています。

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歯医者の歯が痛くなったら

ほっとしたときになぜか痛みを感じる

一昨日、夜寝る前に、歯を磨いて、一日を振り返りながら、ほっと一息ついていたそのとき・・・

うん?なんか両方とも奥歯いたい、、、

うん?あごが痛いんかな? どこやろ?

と、いままでに経験していない痛みを感じ、あせる。

この痛みのまま眠れるかな?と思いながら、不安になっている自分に気づき、歯医者のくせに・・・

と情けなくなる。

くいしばりが原因と自己診断するが・・・

冷静に、いま感じている痛みに向き合う。

歯医者の仕事の中で、患者さんを不安にさせる「痛み」に対して、正確にその原因をなるべく早く見つけて、患者さんにまず説明することが、大切だと信じている。

診療所に来た人の不安を取り除ことが自分の使命だと日ごろ分かったようなことを自分に言い聞かせている。

さて、その患者さんがこのときは自分だった。

まず、観察だ。

洗面所に行き、口を開けて見える範囲の歯をチェックする。

暗くて、上の奥歯はなかなか見えない。

舌で歯の表面をなでて変化はないか確認した。

—-欠けているようなところはない。

手をよく洗い、指で一本一本、歯をゆすってみて、その感覚がどうか感じてみる。

—–う~んよくわからん。

頬をさわってみる、あごの下のリンパ節に触れてみる。

ーー別に痛くない、腫れてもいない。

自分で見て、触れた感じは何ともない。

それで痛みの状態を自分なりに、歯科医師に説明するとしたらどうなのか・・・考えてみる。

—-いつから痛みますか?どこが痛いですか?

「なんか、夜寝る前になって、急に両方の上の奥歯が痛いんです。奥歯のさらに奥のほうも痛い感じがするし。

どこかよくわかりません。」

ーーどこが一番強く痛みますか?

「下の奥歯より、上の奥歯かもしれません。」

ーー痛みは、何か刺激があったときに痛いのですか?それとも、今このときも痛いですか?

「今も痛いです。いたみは、ズキンズキンというよりも、ジーンとずっと痛みが持続している感じです。水飲んでも何ともありません。歯ブラシの時も痛みは変わりません。

指でグッと押さえてみても楽にならないし、なんか口が開けにくい感じもします・・・

むし歯かなと思って、見えるところ、ベロで触れるところは自分でチェックしたんですが、大丈夫そうです。」

—-なるほど・・・つらいですね。

「なんでですか?」

『この痛みは何なん?』

『はよ教えて!』

この痛みのパターンは、すでによーく知っている。

くいしばっていた時間が長かったために起こる痛みだ。

でも納得できない自分・・・

くいしばってないし・・・

急に今まで、患者さんに「くいしばりが原因ですね」と自信マンマンに説明していた自分に自信がなくなる・・・

マウスピースも装着できない痛み

このようなときにはマウスピースをつけることで、それ以上無意識で咬みこんで、歯にさらなる負担をかけないように予防する。

歯科医師の自分が、痛みで不安になっているもう一人の自分に「マウスピースをすぐ付けなさい!」と言う。

そこで、マウスピースをつけてみるのだが・・・・

よけいに痛みが増幅されるではないか!!

マウスピースはソフトタイプで、やわらかくグニャグニャしている。

でも、付け始めは微妙に圧迫感をおぼえる。

しばらくすると、なじんでくるのだが・・・

この日に限って、なかなかなじまず、それどころか、感じる痛みがどんどん大きくなるではないか・・・

マウスピースを装着している患者さんが、「痛かったからマウスピースを付けてなかった」とおっしゃるときに、

「そういう時こそ、マウスピースを付けておいたほうがいいのですよ」なんて説明しているのに。。。

こんな状況で、絶対無理や!

患者さんのことをわかっていなかった

さらに不安がつのる。

おそらく、くいしばりが原因ということは、間違いない。

むし歯はない、歯のゆるみもない、歯ぐきから、バイ菌が入って腫れているわけでもない。

診断としては、くいしばりすぎて、あごの開け閉めに使われる筋肉のこわばりと痛み、上下の奥歯をいつもよりも強い力で、いつもよりも長い時間接触させ、力をかけていたことによって、歯の根っこにある歯周じん帯を一時的に痛めている。

これで、おそらく間違いない。

くいしばりすぎると、歯の中にある血管が充血する。特になぜかほっとする時間に充血してくる。

この充血して膨らんだ血管がからみ合う神経を圧迫して痛みをつくりだす。

いろいろな患者さんが、そう自分に教えてくれた。

そして、今日、わたし自身もそれを経験している。

でも・・・

いつくいしばっていたか?

思い出せない、一日のことを振り返っても、

くいしばりなんてやってない!

って診断した歯医者自分に訴えている。

よく日常の診療で患者さんと押し問答になることが、まさにこの自分の中で起こっているのだ。

結局、納得いかないまま、マウスピースも付けることができずに、寝た。

そして、、、、

次の日も前日いつ、くいしばっていたか振り返ってみても、、、

わからへん。。。

ほんで、、、、

今日になって、くいしばっていたと思われる行為に気づいたのだ。

確かに、あの日、いつもやっていないことを2時間ほどやっていた。

あの時間か?

そして、人には言っていないことにチャレンジしていたのだ。

あまり人には自慢できないようなことなので、やっていた自分を、どこかで自分自身が忘れさせていたのかもしれない。

やっていないことになっていたのか、都合よく忘れていたのか、よくわからないが。。。

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口臭対策

口を唾液であふれさせると臭いは消える

唾液量が減ることが臭いの原因になることは前回のブログでも書いた通りです。

今まで、いろいろな患者さんを診てきて、「あれ?」って思うことがあります。

それは、おそろしく口の中にみがき残しがある方でも、口臭を感じにくいことがあるのです。

この現象は、その方の口の中の粘膜が、歯科の診察チェアのライトに照らされて、キラキラと乱反射するほど、どんどんと湧き出る唾液に汚れがフタをされることで起こります。

唾液による臭いマスキングです。

流水による消臭

水を流して、においを洗い流すことは、基本です。

男性用公衆トイレでは、定期的に水が流れることで、臭いの発生を抑えています。

1~2日外出して、家に帰ってきたときに、家の水回りが臭うことがあります。

これは、「水のフタ」が外れていることにあります。

排水には「トラップ」と言われる、水のたまりがあり、これで下水の臭いが上がってこないようにしています。

洗面所の下の扉を開けたときに排水管がS字やU字に湾曲しているのを見たことがあると思います。

この曲がっているところに水が溜まるようになって悪臭の「フタ」になっています。

このフタの部分の水分が蒸発してなくなってしまうと、臭いにおいが上がってきてしまいます。

家に帰ってきたとき、とりあえずこの臭いを消すためには、蛇口をひねって、水を流すことでしょう。

口の水の流れは、唾液

このことは、口でも同じことなのです。

流れが淀んでしまったり、粘膜がぬれずに乾燥すると、粘膜のアカや細菌、そのたもろもろの臭いが上がってきます。

唾液を常に出すには

いくら、マウスウォッシュをしてもそのあとに、口の中で液体が流れていないと、すぐに乾いて、マウスウォッシュの香料と臭いにおいがミックスされて、複雑なニオイを呈します。

実は唾液を出すには、日ごろからの生活のリズムがとても大切です。

また、ものごとに対する自分の反応のパターン、性格的なものの見直しも大切です。

  • 毎日決まった時間に寝て、決まった時間に起きる
  • 楽観的になること
  • どちらかというとワガママになること
  • 深い呼吸を意識すること

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口の乾燥

口の粘膜は唾液で濡れていて、保護されています。

唾液は一日に1.5リットルほど分泌され、口の中を自動洗浄しています。唾液の分泌量が少なくなるのは、夜間睡眠中や、日中でも緊張している時です。

生活リズムが乱れても、唾液分泌は落ちます。

口の乾きを感じるとき、水分補給しても、口が潤うワケではないです。

唾液を出すところは、唾液腺(だえきせん)というところで、意識して唾液を出そうとしても出ません。

「おいしそう」と思ったとき、深い呼吸をしてリラックスしているときなどに、唾液腺が唾液を外に出します。

しかし、心配事をしていたりすると緊張状態になって唾液はすぐに出なくなります。

唾液分泌が悪くなっている方は、「唾液が出ない」と訴えることはまずありません。

「家族に口が臭いと言われた」

「舌がヒリヒリする。」

「歯ぐきから出血する」

「歯が尖って感じる」

とおっしゃることが多いです。

逆に、このようなことを訴える患者さんを診察するときは、粘膜の「ぬれ」をチェックします。

歯科医師が使う、丸い小さな鏡が付いている器具で頬の粘膜を滑らせます。しっかり唾液が出ていれば、この器具がスムースに粘膜の上を滑りますが、少し乾きがあると、ひっかかりを感じます。

唾液分泌がほとんど出ていない患者さんでは、この器具が全く滑らず、動きません。

また、口の中の粘膜に泡が見られると、乾いていると判断します。

乾いていると判断した患者さんには問診して、乾いている原因を探ります。

  • 飲んでいるクスリの情報
  • 日常生活のリズムが乱れていないか
  • 家庭、仕事や学校での心配事がないか

患者さんにインタビューしている中で唾液腺の働きが低下している原因が推定できれば、自分の見立てを伝えて、対策を講じることができれば、やってもらいます。

クスリの中でも、寝る前に、眠りやすくするものは、乾きやすくなります。

鼻水を止めるクスリなども唾液も止めてしまいます。

生活リズムに関しては、夜更かしが続いていたり、朝早い日が続いていたりして、十分な睡眠が取れていない場合なども、唾液が少なくなります。

また、課題のしめきりに追われている学生さんでも精神的な緊張が慢性的になって、口の臭いが気になってきたりします。

結局、乾きを改善するためには、あまり緊張をし続けず、決まった時間に寝て、決めた時間に起きる。

ということくらいしか、助言することはありません。

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くいしばり

くいしばることで、様々な口のトラブルが起きてきます。

ただ、この「くいしばり」は無意識でやっているので、患者さん本人はまず気づいていません。

診察中はなるべくこの「くいしばりが原因である」ことを何とか伝えようとします。

しかし、まず納得いただくことは難しいです。

特に、大きな考え方のズレが患者さんと私の間であることが多いです。

患者さんは、

「食事をするときに、歯に負担がかかり、トラブルが起こる」と考えます。

一方で、私は、

「食事は大した力が歯に及ばないので、食事以外の時のくいしばりが原因だ」

と考えています。

まず、この考えの違いを説明するのですが、患者さんはピンときません。

患者さんに「くいしばってたんでしょうね」と言うと、

「いや、そんなことはありません」と答える人ばかりです。

「い~や、くいしばりです」

「くいしばってませんよ」

っていう会話になります。

「くいしばっていたかどうか覚えていません」と言って頂きたいのですが。。。

食事の時の歯にかかる力は大したことはない

食べるときに歯が接触している時間の総計は2~3分

ものを食べている時、上と下の歯がリズミカルに接触します。

一回の接触時間は0.5秒前後と、ほんの一瞬です。

食べ物をひとくち入れて、だいたい10~30回程度噛むとしてこれを朝、昼、夕と食事をして、上の歯と下の歯が接触している時間をたしたら、どれくらいかを計算すると2~3分程度であると言われています。

一方で、複数の方の平均値として、、

睡眠時間を8時間とすると、睡眠中に上と下の歯が接触する時間は15分程度あるという研究があります。

睡眠時の上下の歯の接触時間は食事の時の5倍の時間です。

歯ぎしりする方の歯と歯をすり合わせる音を聞いたことはありませんか?

あの音を聞いたなら夜中にすごい力が歯にかかっていることを想像できると思います。

このとき、歯ぎしりしている人は無意識です。

意識レベルが落ちている=寝ている状態です。

朝や午前中に歯やあごの筋肉、関節に症状が出る人は、この夜のくいしばり時間が長かったり、くいしばる力が強かったりしているのでしょう。

夢中になって趣味の畑仕事をしているときには、雑草をむしり取ったり、土をスコップで掘って植え替えたりと。。。

おそらく、この時もちゃんと、上と下の歯をしっかり噛みしめてい楽しんでおられるのでしょう。

足や腰が痛くなることは、動かしていたのだから当然だと理解できても、、、、

家に帰って、さぁ、夕食となり、夕食後に奥の金属のかぶせものの歯が痛んできます。

これが、作業中のくいしばりが原因だとは、なかなか納得できません。思い出せないからです。

食事の時に痛みを自覚する人に思い違いをしていただきたくないのは、以下のことです。

食事の時に症状を自覚するのは、すでに食事前の食べていない時間帯に、上と下の歯が接触し、力がかかっていて歯が過敏になったり、疲れ切っている。

食事は、「痛み」を感じるきっかけにすぎない。

例えていうならば、いつも歩かない人が、前日に何十キロも歩いたとしたら、次の朝、トイレに行こうと歩くときに、あちこち痛みを感じるはず。

朝の、ぼんやりしている意識の中で、「なんでこんなに足首、ひざが痛いんだろう?」・・・・・

「あっ、昨日慣れない散歩を長時間したからか」と納得します。

しかし、歯の運動(=上と下の歯を接触させた状態でグッと力をかけ続けること)をしたという、ことは、なぜか記憶に残らない、、というか噛みしめていたことを忘れているのです。

いざ、食事しようとして、冷たいビールをくいっと口に入れた瞬間にキーンとしみる。なんていうときは、おそらく直前のお仕事をくいしばって頑張りすぎたのかもしれません。

朝食時に食パンをかじっただけで、奥歯の金属が取れちゃった。てな時は寝ている最中にギシギシ歯を噛みしめて、金属のつめものを夜中に浮かせていたのであって、パンが原因ではないのかもしれません。

金属やセラミックが入っている歯は特に注意

口の中に、金属のつめもの、かぶせもの、セラミックの前歯などが入っている方は、くいしばることで歯が悲鳴を上げる危険度が増します。

できれば、通院中の歯科医院でマウスガードをつくってもらってください。

そしてそれを夜間、ジムに体を鍛えるときに持って行って装着しましょう。

くいしばりは、生きていく上でとても重要です。

くいしばり、ふんばりが利かず、転倒してしまう入れ歯を入れていない高齢者の方は度々問題として提示されます。

また、くいしばることで、体の軸が安定し、細かな作業するときも集中して行うことができます。

くいしばることや、食べること自体が、脳に癒しを与えることが知られています。

私に言わせるとこれが、コワいのです。

歯を上下接触させることで、ストレスを受けている脳に、脳内でつくられる麻薬をふりかけて、楽にさせることを覚えると、習慣になるからです。

もしも、歯の治療で歯よりも硬い素材が入っていない人や、歯科治療を受けていない人ならば、症状が出ても、日常の注意や、せいぜいマウスピースを夜間に装着してもらうことで乗り切れるかもしれません。

天然の歯なら、力を受け続けると、それなりの変化をしてくれます。

すり減ってきたり、歯の首元がはがれて、スリムになり、しなるようになって、力を逃がそうと対応してくれます。

ところが、歯の並びの途中に、歯よりも硬い素材を使って歯科治療を受けている部分は、時間の経過とともに、周りの天然の歯がすり減りを起こし、少しずつかみ合わせの高さが低くなってくるのに、硬すぎて、すり減らず、結果として相対的に周りよりも高くなってきます。

これが様々な症状をより強く出す原因となってしまいます。

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くいしばり

気温差が大きくなると、くいしばり時間が増え、歯にかかる負担が大きくなりトラブルが多くなる。

という、科学的根拠がない感覚的なものが私にはある。

ここ数年この仮説を立てて、前日の天気予報の気温の変動から、次の日の救急患者さんが増えるのか増えないのかを占っていた。

そして、今年も夏から秋口にかけ、予想していたら、やはり痛みを訴えたり、歯が欠けたり、差し歯がとれたりといった患者さんが今週は多くお見えになった。

診療所に来る人は歯磨きが上手なひとが、ほとんどであり衛生管理に問題があることが原因のトラブルはほぼない。

だから、ほとんどは「歯に負担がかかること」で起こるものだと考えていい。

今週は、「気温の変化がストレスになり、くいしばり時間が増え、歯が力を受けた」と推察できる人が例年のごとく多かった印象だ。

こういった急な患者さんが来ると、そのトラブルに対応しながら、いつものように、しつこく、問診する。

症状が出る数時間から数日前に、いつもと違うことをしなかったか?

力仕事だけでなく、慣れないこと、精神的緊張をもたらすことなど、、、、いろいろ聞きだす。

こういった事に心当たりのない人は、気温が下がることで体がストレスを受けたことが原因だと考える。

もちろん、その中でも「季節の変わり目仮説」に合わない人もいた。ただ単に、力仕事を数時間やった後で奥のブリッジを支える歯が痛くなった方だ。原因は昼間の「りきみ」だ。

他の方は、全員とは言えないが、ほぼ、朝、目覚める前に体が無意識で予想していた気温、室温よりも低いことで筋肉が緊張したのだろうと思われた。症状を自覚したのが午前中だったからだ。

「朝食に何も硬いもの食べてないのに、金属のつめもの外れた。」

「午前中頭が痛くて、歯もどこかわからないけどダル重い。」

今年は、とても暑い日が続いていたので、クーラーをつけたまま寝る人もいる。

クーラーはタイマーでコントロールしたとしても、ふとんは薄いものが多いだろう。

人間は恒温動物だ。

周囲の温度が下がった時に、自動的に筋肉を緊張させて体温を奪われないようにする。

寝ているときに、無防備にさらされている、首。

首の皮膚の近いところに、頭部に向かう、大きな動脈、けいどうみゃくがある。

ここが、外気と体温の温度差を感じ取ると、首、頬、側頭部にある大きな筋肉を緊張させて体温を保とうとする。

結果、くいしばり時間が増え、患者さんは無意識に自分の歯を痛めてしまう。

気持ちよさそうに寝てはるけど、首から下はふとんかぶってはるけど、首と肩があきまへん。

これやと、朝方、無意識に体が「さぁ、朝が来るでぇ、準備しよう」って考えてくれている時に、首やあごの筋肉を緊張させてしまいまっせ。

肩もこる、頭もイタなる、ヘタしたら歯もイタなるかもしれん。

気温が下がってくる季節の心得

この女性は、ばっちりですわ。

首と頭がちゃんと、体温を奪われんように、ひと工夫してはる。

ちょっと朝から好きな方を思うような、まなざしやけど、歯は快調なはずや。

頭もイタないし首もイタない。

残暑がキツい日がまだ続いているが、少し涼しくなったと感じているひとは多い。

気温差が激しくて、からだが、ついていけない。

冷えはよくない

こんなことは、昔から言い古されていることだが、口のトラブルを防ぐにも、私はよく患者さんに次のことを伝えている。

頭寒足熱(ずかんそくねつ)と言って、頭は冷やして、下半身をあたためたほうが安眠できるのも事実だ。

しかし、朝方首が冷えると、首から上の筋肉が緊張するので気を付けてくださいと。

おススメは、フェイスタオルでいいので、寝る前にふわりと、首の上にかけておく。

バスタオルはまだ、暑すぎるかもしれないが、秋が深くなってきたら、バスタオルでもいい。

汗は吸い取ってくれるし、くびの動脈を必要以上に冷やすこともない。

別に巻かなくてもいい。かけるだけでいい。