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むし歯は痛くない

むし歯が痛くなるものは、1~2割くらいしかあらへん。

ほとんどの場合は、自覚症状はなく、歯医者か歯科衛生士が発見することが多い。

いままでの経験から、むし歯に痛みを伴ってくる人はかなり少ない。

むし歯が進行していくと痛みが出てくることが多くなる。しかし初期のむし歯は痛くない。

だから、早期にむし歯を発見する意味でも、年に最低1度は歯科医院に行ったほうがいい。

ついでに言うと、口になかにできるガンも痛みがない。ガンの早期発見は大事やな。

まぁ、堀ちえみさんのように、歯医者にも耳鼻科にも言っていたのにもかかわらず3か月もガンを疑わずに見落としたケースもあるので、説得力ないのかもしれん。

確かに、耳鼻科医でも歯科医師でも「ガン」というものを経験したことがない人が圧倒的に多いと思うねんなぁ。

たまたま、自分は歯科医師として口腔がんを診ていたからこういうことをいうのかもしれまへん。

でも、見落としてしまった苦い失敗もあって、歯科医師だからといって、歯だけを見ていたらアカンとの思いでこれを書いています。

他の歯科医師よりもガンの患者さんの口を知っているといっても、いまだに、パッと見ただけで「ガンや!」って分かるわけではありまへん。

もちろん、ガンは初期に発見して、なるべく早く対応すべきものです。

しかし、早期のものは小さいので、これが単なる口内炎なのか、そうでないのか小さいときは分かりません。

しかし、決定的に違うことがありますねん。

それは口内炎は治ります。

せやけど腫瘍は自然に消えていくことはないと考えています。

だから、2週間たっても消えない口内炎ものは、ガンを疑う必要が出てきます。

ガンが恐ろしいのは、デカくなる時はあっという間にデカくなるのです。

日々、歯や歯ぐきの治療をしていますが、処置に入る前にはすべての患者さんの口の粘膜、くちびる、頬、べろ、見える範囲をチェックするようにしてます。

そこで、気になる口内炎っぽいものを診たら、患者さんに手鏡を渡して一緒に共有して、この経過を患者さん自身にチェックしてもらうようにお願いします。

2週間以内にこの口内炎が消えなかったら、もう一回来てほしいとお願いしときます。

ほんで、もし2週間以内に消えない場合で、患者さんのOKがあれば、その口内炎っぽく見える粘膜を切除して病理検査に出します。

それで中の細胞がどんなものか病理医の先生に診断してもらいます。

もちろん、毎回チェックしていれば、2週間以内に治らないからと言って、すべて組織検査するわけではありませんが、、、

開業して初年度で、ガンになる一歩手前の白板症(前がん病変といいます)の方が一名おられました。

その方は3年後に別の部分の粘膜が赤く膨らみ、これを患者さん自身が2週間で消えないことで心配され来られた時には、ガンでした。病理医に診てもらわなくても「いかにも怪しい」ものは、日ごろ注意していれば分かってくるのです。その患者さんも、白板症を経験しているので、粘膜の異変にちゃんと気づく「目」を持っていたのです。

速攻、大学病院を紹介してもらい、耳鼻科で腫瘍を切除してもらい、現在4年あまり経ちましたが元気に通院されています。

つまり、ガンを見つけるためには、患者さんと日ごろから、口の中にも変なもの、やらしいもの、つまり悪性の腫瘍ができることがあるんやで、って話しておくんです。

ほんで、ちょっとでも気になるもんがあったら、患者さんと一緒に診て、お互い共有しあっていくことが大事やとおもいます。

話がむし歯から、ガンの話になってしまったけど、、、

むし歯も痛くないことが多いんやわ。

あくまで、私個人の感覚やけど、、、

むし歯になる原因は諸説あるのですが、早期に発見することがやはり大切です。

しかし、早期なら、ガンと違って、様子を見て、フッ素を塗布して、進行を抑制したり、再石灰化といって、治してしまうこともできます。

せやから、時々歯医者に行って、口を診てもらいなはれ!

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親知らず

親知らずは、日本人の場合、まっすぐにちゃんと生えることは少ないんです。おやしらずは、第三大臼歯ともいい、大きな臼状の三番目の歯で、デカいです。

親知らずは顎の成長がほぼ止まったくらいの年齢、20歳くらいにようやく生えてこようとします。

このとき、生える場所が十分に確保されていればええんやけど、あごの骨の小さい日本人の場合、たいがい、親知らず用のスペースがあらへん。

せやさかい、生えるときに手前の生えてはる第二大臼歯に邪魔されてまっすぐ生えられへんことが多い。

生えたとしても、せいぜい頭の一部を歯ぐきの一部から顔を出す程度。

変な風に中途半端に生えると、磨き残しができたり、歯ぐきの中に細菌が侵入して炎症を起こしたりしてする。

幸いにも痛みが出れば、「抜いてもらおうかな」という気にもなるが、痛みが去れば、その気持ちも忘れてしまうもんや。

せやけど、一度痛み出た場合は、また痛むときがくるもんですわ。

そうやって、痛みを繰り返しているうちに、むし歯の場合やったら、むし歯が進行してしまうし、歯ぐきの炎症の繰り返しの場合は、骨も炎症で硬くなってくるんです。

そうなると、いざ歯を抜いてもらう時になって、抜歯時間が長くなったり、治りが遅くなったりします。

どうせ抜かなあかん中途半端に生えている親知らずは、早めに、できれば20代に抜いときなはれ。

なんでってか?

そらぁ、若いときのほうが、骨が柔らかいから、抜歯時間も短いし、回復も早めやねん。

ちょっと、気になる症状を経験しているんやったら、早う行きぃ。

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保険の入れ歯

「入れ歯」と聞くと、どのようなイメージでしょうか?

  • インプラントやブリッジと違って、いちいち出し入れをしなければならない、面倒なもの。
  • 金属の針金のようなものが見えて不格好だ。
  • 急に年老いた感じになる。

ネガティブなイメージが先行するのではないかと思います。

しかし、入れ歯はインプラントやブリッジよりも、「手軽に」治療を受けることができます。

しかも保険が利きます。

入れ歯の利点

  • 保険が利いて、時間や自己負担金を節約することができます。
  • ブリッジよりも、歯を削る量は圧倒的に少なく体にやさしいのです。
  • 出し入れすることで、入れ歯をきれいに洗って清潔に保つことができ衛生的です。

保険の入れ歯の限界

たいがいのものは保険が利きますが、保険が適用されるものと、そうでないものは「入れ歯の材料」の違いです。

保険が利く入れ歯は使う材料の種類が決められています。そのルールにのっとって、設計や材料を決めていきます。

その範囲内なら歯がなくなったところの代わりになる「義歯」ができます。

義歯といえど、調整してもらって馴染んでくれば、大概のものは食べることができるようになります。

しかし、材料にこだわれば保険が利かないものも出てきます。

例えば、入れ歯を固定するときに使う針金が、笑うと見える位置に来る場合や、少したわむ柔らかい素材を希望する場合などです。

それでも保険の入れ歯でできることはある

しかし、保険が利かない自費の入れ歯となると負担する金額が一桁違ってきます。

入れ歯は一生モノではなく、消耗品でもありますのでもう少し、保険の義歯でできることはないのか粘ってみましょう。

勇気を出して歯科医師に伝えましょう

初めての入れ歯の場合は、歯科医師に任せっぱなしになるかもしれません。

ただ、前歯が入れ歯になる場合は、「歯の色」や「歯の大きさ」、「歯の並び方」については、希望を伝えれば、歯科医師は応じてくれることが多いと思います。

針金(クラスプといいます)が目立つ場合も、一応頑張って、

「保険の範囲内で、なんとか針金が目立たないようにできませんか?」

と歯科医師に、作成前に伝えましょう。

その希望をなるべく受け入れようとする姿勢を見せる歯科医師は、義歯の設計を工夫してくれるかもしれません。

保険の入れ歯の修理と調整

使い始めた入れ歯は、痛みが出たり、違和感が強く出たりして歯科医師に調整してもらわなければならないことが出てきます。

この時に、何回か歯科医院に通うことを覚悟して通院しましょう。

1~2回で「こんなのムリ、使えない」とあきらめないようにしましょう。

また、入れ歯が破損することもありますが、大概の場合は、修理が可能です。

これが保険の入れ歯の場合の利点でもあります。保険適用外の材料の場合は、修理そのものが困難な場合も多くあります。

入れ歯は使う患者さんだけでなく、歯科医師も手を入れないと「生きた義歯」にはなりません。

生きた義歯になれば、食事することもしゃべることも苦にならなくなります。

保険の入れ歯はこの辺りを理解しておけば付き合いやすい、あなたの一部になってくれるスグレモノです。

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永久歯になりたての中学生が気を付けること

中学生のときに親知らずを除く永久歯の歯がすべて出てきます。

この永久歯が生えそろうころ、お母さん、お父さんの関心は、もしかすると口ではなく、教育であったりスポーツであったりするかもしれません。

先日、中学生の歯科検診をして、改めて感じたことを書きます。

  • 歯肉炎に注意
  • 生活リズムの乱れに注意
  • 顎の関節の不調に注意
  • 歯磨きをプロに教わり、フロスが使えるようになっておくこと

歯肉炎に注意

中学生ともなると、むし歯の数は少ないです。従って、歯医者に行く機会は少なくなっていくでしょう。

ここで、気になるのが歯肉炎です。

歯肉炎になっている中学生は多い印象です。

磨き方が不十分なことで、歯石が付着し、歯ぐきが腫れています。これは痛くないので、ついつい後回しになってしまいがちです。

歯科検診で、ひっかからなかったとしても、年に一度は歯医者でクリーニングを受けましょう。

生活リズムの乱れに注意

学校の先生にお聞きすると、朝までスマホをいじっている子もおおくなっているようで、寝不足な生徒さんが多くなっているようです。

私も検診をしていて、若いのに、唾液があまり出ていなくて乾燥気味の生徒さんがたくさんいました。

唾液はとても大切です。

この季節、新型コロナウイルスに打ち勝つにも、唾液がウイルスを体内に入れないバリアーの役割を果たします。

唾液によって、初期の虫歯は修繕され、歯肉炎を起こす最近の量や活動も抑制されます。

唾液は、生活リズムを整えて、はじめて、正常に分泌されます。

大人もスマホを楽しむ時代ですが、寝るときは家族で時間を決めて、あまり遅くまで夜更かししないようにしましょう。

顎の関節の不調に注意

大人の歯になる時期ですが、同時にあごの骨も大きく成長を続けていくときです。

この時期に、顎の関節や周囲の筋肉の痛みを感じることが増えてきます。

まず、やってはいけないことは、頬づえをつくことです。

また、普段上と下の歯を接触させないことです。

そして、くいしばらないことです。

最後に冷やしてはいけません。

口を開けるときに耳の前の方で雑音が出る場合があります。雑音だけで、痛みはなく、口の開け閉めができるようなら大丈夫です。

口を開けるときに痛みを覚え、口を開けることが苦痛になった場合は要注意です。

このようなときは、歯科医院に行って、マウスピースなどをつくってもらってください。

歯磨きをプロに教わり、フロスを使えるようになること

歯をきれいに磨くことを、小学校の時に教育されているといいのですが、まだ、歯科医院で教わったことがないなら、ぜひ一度歯磨きの仕方を、歯科医師や歯科衛生士から教わってください。

歯の磨き方を一度、正しく習得してしまえば、大人になっても歯をきれいに保つことができます。

このときに、デンタルフロスの使い方を学び、毎日一度はデンタルフロスをとおして、隅々まできれいにすることを知ってください。

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入れ歯が合わない

入れ歯が合わないときに下記のことを参考にしてください

  1. 入れ歯を作って1~2か月以内 ⇒ あきらめないで、通院中の歯科医師に細かく伝える。
  2. 入れ歯を調整してもらってしばらく大丈夫だがすぐに痛くなる⇒食事以外の時にくいしばらないようにしてみましょう。
  3. 入れ歯を入れると吐きそうになる⇒調整しても無理な場合はブリッジやインプラントを考えましょう。

入れ歯が得意な歯科医師を探す

歯科治療にはいろいろあります。

歯科医師も、様々です。

入れ歯を得意としている歯科医師は存在します。

入れ歯で苦労される方は、多いと思います。

そういった方が、得意な歯科医師に調整を受け、今まで咬めなかったのに、その日から、痛みなく、食事ができるようになったら、感動さえする方がいます。

いろいろな歯科医院に行ったのに、うまくいかなかった苦労があるので、このような患者さんはその感動を、知り合いの方に伝えます。

入れ歯の調整がうまくいかないことは、世間では割と、悩みの共有として話題にあがるようです。

したがって、得意でない歯科医師と、上手(と患者さんが感じる)な歯科医師の情報も地元にはあるのです。

情報を持っていそうな、地元の人に相談してみましょう

私の独断ですが、義歯のウマい歯科医師は職人気質で、あまり目立たちたがりません。

歯科医院のホームページでも分からないことが多いです。

ウマい歯科医師は、保険で作った義歯であろうと、自費で作られたものでも、絶妙な加減、あんばいで、患者さんが使いやすい、「食事ができる」ようにしてくれます。

悲しい現実ですが、そういった歯科医師を探すのは苦労すると思います。

ネット検索よりも、地元のコミュニティーのほうが、よりよい情報を持っていることがあります。

よって、思い切って、それらしい人に聞いてみましょう。

入れ歯は、調整が必要と覚悟しましょう

入れ歯を一度作ったら、ずっとその状態で、使えるわけではありません。

入れ歯に接している、口の粘膜の形は変わっていきます。

入れ歯も「かみ合わせる」道具なので、すり減ってきます。

ある程度の、ゆるみや遊びがあったほうが使いやすい場合もありますが、「痛み」として感じるようになったら、調整に行ってください。

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歯のアンチエイジング

歯は永久歯として完成するのは親知らずを除けば中学2,3年生には完成します。

それ以降、死ぬまでこの永久歯はあなたの人生とともに過ごします。

他の臓器のように、160日たてば、細胞がすべて入れ替わり、新しい臓器に入れ替わることはありません。

ある本には、歯も例外ではないとシュレディンガーという有名な科学者を引き合いに出して説明しているものもありますが、私の知る限り、エナメル質、エナメル質に近接した象牙質※はまず、入れ替わらずリニューアルされません。

大切にしましょう。

※)歯の真ん中には歯髄といって、神経と血管が絡み合って入っている小さな部屋があります。外からの刺激で、この歯髄の内壁に新しく象牙質が作られます。歯も再生能力が厳密にはあります。しかしそれを可能にしているのは「血管」の存在です。お母さんのおなかの中にいるときから小学高学年までに創られた象牙質、エナメル質には血管がありませんので、物質の血管を通じての運搬は不可能です。エナメル質表面は再石灰化のメカニズムが明らかになっていますが、リニューアルではありません。

歯のアンチエイジングの具体的方法

  • 衛生管理
  • 力の排除
  • 規則正しい生活
  • ゆっくり生きる

衛生管理

  1. セルケアのスキルを上げる。(ブラッシングは5分、フロスも一日一回は必ず通す。歯科医院で一度は教えてもらってください。)
  2. 歯科衛生士、歯科医師に定期的(3か月~1年に一度)に歯石を除去してもらい、歯の表面の着色を除去してもらう。(次の3を効果的に行うため)
  3. ホワイトニングをできれば定期的に行う。(ホームホワイトニングを一度行い、その後定期的に、歯科医院でジェルを購入する方法、通院中の先生に交渉して、夜に使うマウスピースとホワイトニングトレーを兼用できるようにお願いしてもいいかもしれません。断られたらごめんなさい。)

力の排除

  1. ふだん、口を閉じているときは、くちびるだけを閉じ、歯は接触させない。
  2. 細かな作業するとき、集中して作業をするときに、上と下の歯を当てない、くいしばらない。
  3. スポーツ(登山も含む)をするとき、力仕事をするとき、必ずマウスピースをつける。
  4. 夜寝るとき、必ずマウスピースをつける。特に旅先には忘れずにマウスピースを持っていく。

これらを実践すると、歯に強い力がかかり続けることで、歯ぐきのラインが下がる速度を緩めることができます。歯がすり減ることを最低限にできます。知覚過敏からも解放されます。治療を受けた歯も必ず長持ちします。

規則正しい生活

唾液が口と体を守ってくれる

規則正しい生活と聞くと、面白くないかもしれませんが、これは、唾液をしっかり分泌させるために必要です。

唾液が出ないからと言って、すぐに出そうとしても出ません。

もちろん唾液腺マッサージなどいろいろ、「絞りだす」方法は考案されていますが、それよりも日々「泉のように自然にあふれだす」ようにすべきです。

睡眠不足、不規則に生活すると、起きている時に、唾液を出す「唾液腺(だえきせん)」は眠っているので、口が乾くという状況になります。

口が乾くと、ウイルスや細菌の体内への侵入を防いでくれる唾液不足で、インフルエンザをはじめ、様々な感染症にかかりやすくなります。

寝る時間と起きる時間をある程度決めたら、それを実行しリズムよく生きましょう。

ゆっくり生きる

ストレスは、少しはあったほうがいいという説もありますが、できればすべて排除するか、これは必要なストレスだと、認識してストレスと付き合うようにしてください。

あとは、なるべく急ぐことなく「まっ、いいか」「これくらいにしておこう」「許そう(他人も自分自身も)」という感じで生きましょう。

時間に追われると、くいしばり時間が増えます。

ストレスに追いつめられると、緊張状態が続き、夜に眠れなくなります。

こういうときは、忙しい中に5分でもいいので、目をつむり、深い呼吸をゆっくりして、自律神経を整えましょう。

寝る前は、明日のことなぞ考えずに、寝ることを楽しみましょう。

人生がどんどん長くなっています。

ゆっくり生きるくらいでちょうどいいのです。

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ホワイトニングの効果

今の診療所では、ホワイトニングは基本的には患者さんには、こちらから勧めることはしていません。

ところが、先日久しぶりに、ホワイトニングについて質問を受けまして、ホワイトニングについて色々説明して、納得いただいて、ホームホワイトニングを始めました。

説明内容は以前にブログに書いたので確認してみてください。

「ホワイトニングのぶっちゃけ話」

そして昨日、2週間のホワイトニングを終え、評価のために来院されました。

結果・・・

めっちゃ白なってるやん!

患者さんご自身は毎日、ちょっとずつ白くなっていることを、自分で実感されながら来られたので、比較的落ち着いておられましたが、私と衛生士は正直嬉しかったです。

歯科医師や、歯科衛生士が「白さ」の基準にしている「色見本」を「シェードガイド」と言います。

このシェードガイドの中からホワイトニング前の歯の色に近いものをピックアップして、患者さんの歯と一緒に写真に収めます。

2週間後、同じように、ホワイトニング後の歯に近いシェードガイドを選んで写真を撮ろうとしたら、シェードガイドで一番白いものより、さらに白くて、色見本がなかったのです。

色見本を超えて白くなってる!

素直にうれしかったです。

患者さんは、下の歯もホワイトニングを希望され、今そのマウスピースを作製中です。

ホワイトニングに冷めてしまったワケ

なんでも新しいこと考えや技術が出てきたら、すぐに食いついて、ガンガンやっていた時期がありました。

ホワイトニングもそのひとつです。

まずは、当時の厚生省が認めた、海外製のホワイトニングジェルの薬剤を購入して、同僚の歯科衛生士さんたちと、楽しみながら患者さんに積極的に勧め、やりまくりました。

ただ、やればやるほど、ストレスを感じてきてしまったのです。

なので、数年後には、患者さんの求めに応じて、する「受け身」の施術になっちゃって、当初の情熱を失っていました。

最初の患者さんは効果絶大であった

しかしホワイトニングという響きだけで、何かウキウキしてしまいますよね。

白くなることは、特に日本では、清潔で、けがれがない「美」として捉えられるのではないでしょうか?

何ごとも、ビギナーズラックってのがあるのでしょうか、最初の患者さんは、60代の男性でした。

ホームホワイトニングといって、マウスピースに患者さん自身で自宅で薬剤を入れて毎日2時間装着して2週間続けてもらいます。

結果、

めっちゃ白なった!!

サムネの写真の色の変化くらいありました。

患者さんの了解を得て、すぐに医院のホームページに「ビフォーアフター」の写真を載せました。

すぐに行き詰る

期待値と現実のギャップがストレスの原因

ホワイトニングの驚くべき効果に色めき立ち、衛生士さんたちも対象者をどんどん増やしました。

が。。。

どうしても効果が表れない人が出てきました。それも複数・・・

断っておきますが、もともとホワイトニングをしてもダメな人もありますので、もちろんその方々には、ホワイトニングでは無理であることを申し上げて他の方法を考えてもらいます。

なので、この人は、かなり白くなるやろと思って、患者さんを選んでホワイトニングをしていました。

しかし、どんどん効果がない人が出てきました。

いまだに、原因は、よくわかっていません。。。

オフィスホワイトニングも試したが・・・

オフィスホワイトニング用の、濃度の濃い薬剤を、用いて歯科医院で行う方法があります。

海外から、いろいろ薬剤を集めて、オフィスホワイトニングも試しましたが、ホームホワイトニングで効果ない方は、オフィスホワイトニングでもあまり効果が出ません。

「ちょっと白くなったかな?」

と、患者さんと私たちの間にある、「期待ほどではなかった」感。

患者さんも、私たちも当時は正直なことが言えなかったです。

この最初の期待値と結果の間にある「ギャップ」が「気まずさ」を生み出し、ストレスになっていきました。

結論:ホワイトニングの効果は期待しすぎない

結論として、みなさんにお伝えしたいのは、決して過度にホワイトニングに期待しないでほしいです。

世の中には、本当にあやしげなホワイトニングの広告があふれています。

まずは、かかりつけの歯科医院の歯科医師や歯科衛生士に、厚労省が認めている薬剤を使ったホームホワイトニングを希望して、相談しましょう。

白くなったらラッキーくらいに考えておきましょう。

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歯はすり減る(歯のエイジング)

当たり前なのかもしれませんが、歯は使えば使うほどすり減っていきます。

歯だけが、すり減った分はそのままになります。自然に戻ることはありません。

髪の毛も、爪も生え変わりがあるのに、歯だけが乳歯から一回生え変わったのちは、そのままです。

減る方向にしかいきません。

かみ合わせも変わり続けます。

歯の減り方は、上下の歯が接触している時間に比例する

家族の方や知人の方が夜に歯ぎしりをしている音を聞いたことがありますか?

まさにあの時、歯がすり減っています。

大きな音がしなくても、上と下の歯がこすりあっている時は歯がすり減っていきます。

朝、昼、晩と食事をして上と下の歯が接触して「噛む」という運動をしますが、この3食の間に上と下の歯が合わさっている時間の合計は、研究によると3分弱だそうです。

一方で、夜8時間睡眠するとして、上と下の歯が睡眠中に合わさる時間は15分程度あるということです。

夜にすり減っていくのです。

昼間にくいしばり癖のある方も減っていきます

くいしばりは、いろいろな不快な症状が出てきますが、それよりも、歯が静かにすり減っていくことも知っておく必要があります。

問題は、歯科治療を受けた歯の硬い詰め物やかぶせ物

もしも、何も対策を取らずに、すり減りに任せたらどうなるか?

意外と何も起こらない。

しかし、それは、歯科治療を受けていない場合です。

どこかに、歯科の詰め物やかぶせ物があるとき、特に歯のエナメル質よりも硬い材料が使われている時が問題です。

歯科治療を受けていない歯が、徐々にすり減り続け、かみ合わせはそれに合わせて、低くなっていくのに、硬い詰め物やかぶせ物はすり減ってくれません。

全体としてバランスよく減っていってくれれば、心配しすぎずともそのまま、永久歯を使い続けることができます。

金属、セラミックのかぶせ物のところで、あるいはその対になっている歯(上の前歯なら、その対になっているのは下の前歯ということになります)が高くなってきます。

バランスが崩れてくるのです。

それが、様々な症状を引き起こしていくのです。

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乳歯の時に注意すること(歯並びに影響する習慣)

歯並びにいい影響を及ぼすことや、反対に悪い影響が出てしまうことについて考えてみます。

その前に、以下のことをサッと目を通しておいてください。

  1. 乳歯の時の歯並びが、必ずしも大人の歯の歯並びに絶対に影響するとは限らない。
  2. ママやパパの歯並びは、子供に影響する(遺伝する)ことは多い。
  3. 乳歯の時期の口呼吸は歯並びに影響する。(鼻が詰まりやすいなどの原因で)
  4. 正しく言葉を発することが実は大切。
  5. 指しゃぶりは必ずしもすぐにやめさせなくてもいい。
  6. 子供の歯並びにパーフェクトを求めているのか、個性として受け入れられるのか、パパやママの価値観が重要。
  7. 矯正治療はいつでも(大人になってからでも)始められる。

おしゃぶり、指しゃぶりはダメなのか?

おしゃぶりや、指しゃぶりは舌やくちびる、頬などの筋肉を鍛えるにはとても効果的です。

また早期に鼻で呼吸することを学びます。鼻が詰まり気味の場合はおしゃぶりするのが難しいです。

指しゃぶりの場合は、指なので、指の骨の分、分厚いので、しゃぶり続けると、上の前歯と下の前歯の隙間が空いてきます。

市販されているおしゃぶりはそれほど、硬くないし、厚さも指ほどではありません。

指しゃぶりをしている場合、3歳以降はできるだけ「指」から「おしゃぶり」に変更するほうが咬み合わせに影響が出にくいと思います。

しかし、大人の歯に生え変わる1年位前、遅くとも4歳から5歳ごろまでには、おしゃぶりであっても、これを卒業するように、していきましょう。

指をしゃぶっていた場合は、少し隙間が上下前歯がかみ合ったときに隙間が空いているかもしれませんが、この後解説する「言葉」を正しく発音させ、鼻呼吸ができていれば、自然と閉じてくることでしょう。

言葉をしゃべり始めたら、なるべく正しく発音させていくこと

ことばを話し始め、単語、短いフレーズが使えるようになってきたら、チャンスです。

反対の咬み合わせになっている場合は特に「た」「て」「と」の発音に注意してください。

これらの音を発するときは、舌の先が上の前歯の裏側触れます。言葉を獲得し始めはうまく発音できなくとも、遊びながらでもいいので「たたたたた」とか「ととととと」など、しっかり大きく、はっきり発音させるように、してください。

舌で上の顎を広げることも期待できます。

「た」行を発音するときに、舌の先が上の前歯と下の前歯の間に見えるとき、英語の”th”の発音の時のようになっている時は、直してあげてください。

また「ぱ」行も同様に、しっかり発音させましょう。

「パパ」とはっきり音を出すには、くちびるを一度しっかり閉じなければならず、くちびるの力が必要です。

くちびるを閉じていることを確認

舌の位置が歯並びには大切です。

舌の位置が、常に下の歯の内側にあるときは、気を付けなければならないのですが、外からは確認できません。

しかし、普段何もしていないときに、ずっと口が開いている状態のときは、くちびるを閉じるようにしましょう。

すぐに口が開いてしまう場合は、鼻の空気の通りが悪いのかもしれません。

こういった場合、本来、鼻で呼吸すべきなのに、口で呼吸してしまっているのかもしれません。

気になる場合は、耳鼻科の先生に診てもらってください。

口呼吸をしている場合は、上の顎の発育が十分できずに、反対咬合になりやすかったり、乱ぐい歯になりやすかったりします。

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乳歯の時に注意すること(歯並び:矯正って絶対必要??)

今回は歯並びのそもそも論について書いてみます。前々回は、かみ合わせが逆になる反対咬合について、前回は乱ぐい歯について解説しました。

ここでもう一度一般的な知識として知っておくべきことを書いておきます。

  1. 乳歯の時の歯並びが、必ずしも大人の歯の歯並びに絶対に影響するとは限らない。
  2. ママやパパの歯並びは、子供に影響する(遺伝する)ことは多い。
  3. 乳歯の時期の口呼吸は歯並びに影響する。(鼻が詰まりやすいなどの原因で)
  4. 正しく言葉を発することが実は大切。
  5. 指しゃぶりは必ずしもすぐにやめさせなくてもいい。
  6. 子供の歯並びにパーフェクトを求めているのか、個性として受け入れられるのか、パパやママの価値観が重要。
  7. 矯正治療はいつでも(大人になってからでも)始められる。

拡大装置という、こどもの矯正

拡大装置というのは、骨の成長を装置で後押しするものです。
 
これを始める時期は永久歯が生え始めてきてからで大丈夫です。

歯の一生を考えてみる

3歳ごろまでに計20本生えそろって、乳歯だけで約3年間過ごします。たった3年です。

それから6歳ごろから13,14歳まで7~8年かけて、次々と、乳歯が大人の歯(永久歯)に生え変わっていきます。

永久歯は親知らずが生えてくる20歳ごろまでですべて生えそろい、32本です。

日本では多くの方が、親知らずがうまく生えず、生えていても、うまく噛み合っていなかったりするため、通常は親知らずを数えず28本あれば機能します。

その後、人生100年とすれば、85年以上、この永久歯を使うことになります。

何十年と使う永久歯の歯並び、かみ合わせが、子供の頃にほぼ決まってしまうと言っても大げさではありません。

だからこそ、ママやパパたちが自分たちの子供の歯並びを気にすることも当然です。

 親としての責任を感じることでしょう。

お友達が矯正を始めていることへの焦り

 
これくらい子供の歯が隙間があれば、安心ですが・・。
 

上の歯も下の歯もすべて永久歯がきれいに並び、理想通りのかみ合わせになる人は少ない印象です。

日本人はあごの骨が小さいわりに、歯が大きいと言っても反対意見はそんなに出ないと思います。

乱ぐい歯というと、言いすぎですが、多少、隣の歯どうしが少し重なったりすることが圧倒的に多いように思います。

最近では、矯正歯科の専門医でなくとも、子供の矯正を手掛ける歯科医師は増えています。

こういうこともあって、小学生の子供が矯正治療を受けていることは珍しいことではなくなってきています。

このプレッシャーがママたちにのしかかることで、「うちの子は大丈夫かしら?」という疑問が出てきます。

なので、ママやパパからの質問は「矯正やったほうがいいですか?」です。

子供の矯正をする歯科医師は、永久歯がすべて生えそろう小学6年生~中学1年生くらいまでは積極的に親に矯正を勧めることも多いです。

それには理由があると思います。

  • 先手必勝、すなわち乳歯より大きい永久歯が生えるスペースを確保しておくことで無理なく永久歯を迎えることができる。
  • 費用対効果が大きい、すなわち、柔らかい骨は変化しやすいので、比較的短時間で、骨が拡大していってくれる。

もちろん保険診療ではできませんので、安いとは感じないかもしれません。しかし大人になるまでに、終了してしまいます。

歯科医師のゴールとママのゴールとのギャップ

歯科医師は、「きれいに並べて、しっかりとしたかみ合わせを構築しなければ」と思っています。

それは、間違いではありません。

しかし、一方で世の中には、少々、歯が重なっていても、まっすぐに生えていない歯が1本2本あっても、まったく食事に困らなかったり、本人も気にせずに生きている大人が多くいます。

私は、質問されたときに、逆にママやパパたちが望んでいる歯並びがあるのか聞いてみるようにしています。

ハリウッド俳優のようなスマイルを求めているのか、日本の芸能人のような、歯並びでOKなのか?

ハリウッド型なら、少しでも永久歯がうまく生えてこないようであれば、積極的に歯科矯正の介入を行います。

ただ、日本の芸能人くらいでも大丈夫なら、たいていは、様子を見ていくことにしています。

まぁ、日本の芸能人といっても、ハリウッドスマイルの人も増えていますが・・・。

大人になってからでも歯は矯正できる

もし、矯正治療を行わなかったらどうなるのか?

もし、日本の小学校、中学校でを通っておられるお子さんなら、問題があれば学校の歯科検診で「歯並び」の問題を指摘されるでしょう。

その時は、できるだけちゃんとかかりつけの歯科医師、あるいは矯正の専門医の診察を受けてください。

ただ、歯科検診でひっかからなくとも、歯がまっすぐに歪みなく並ぶとは限りません。

こうして、何もせずに大人になった場合でも、歯並びが原因で生活に困るということは少ないのではないかと考えます。

もし、大人になってから、子供さん自身が「きれいな歯並びにしたい」と言ってからでも全く遅くありません。それどころか、30代40代、あるいはそれ以降でも、「やろうと思えばいつからでも矯正はできます」日本の芸能人は名前が売れてから始める人もご存じだと思います。

そう考えれば、あまり思い詰める必要はありません